出版社内容情報
はびこれ。育(はぐく)め。咲きほこれ。わたしたちは美しい。老マダムたちが教えてくれた
不安だらけの世を生きる 希望の灯
あのおばあさんたちを見ていたら、生きていけそうな気がしてきた。
30代にして職を失い、無為な日々をすごす由佳が出会ったのは、北新宿【花まみれビル】に集まって暮らすお年寄りたち。
見た目は、ほのぼのとしたシニアグループ、その実態は……日本中にネットワークを張り巡らせる植物学の元教授に、七色の声を持つカリスマ歌手、ハイテク機器を駆使して暗躍する探偵チーム(メンバーはおばあさんのみ!)など、型やぶりのマダムたちだった。
――わたしも、あのおばあさんたちみたいになりたい。目立たず、しぶとくて、しあわせで、美しい。だれからも注目されなくても毎年、花をつける草木のように……。
歌川 たいじ[ウタガワ タイジ]
著・文・その他
内容説明
30代にして職を失い、無為な日々をすごす由佳が出会ったのは、北新宿“花まみれビル”に暮らすお年寄りたち。見た目は、ほのぼのとしたシニアグループ、その実態は…七色の声を持つカリスマ歌手や、日本中にネットワークを張り巡らす植物学の元教授、ハイテク機器を駆使して暗躍する探偵チーム(メンバーはおばあさんのみ!)など、型やぶりのマダムたちだった―。
著者等紹介
歌川たいじ[ウタガワタイジ]
1966年東京都生まれ。小説とコミックの両ジャンルで活躍する気鋭のストーリーテラー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
77
あー間に合った!昼から歌川さんの講演があるので必死で読んだ。リストラされ再就職難民となった女性が、パワフルで個性的な婆ちゃん達と出会い、共にオレオレ詐欺の親玉を摘発しようと画策する話。「やせる石鹸」同様社会問題を扱っていながら、コミカルで独特の言い回しに何度もププッと吹いた。少々ガチャガチャした感じだが面白く読めた。個性的なシニアが登場するが、1番の推しは南米の猿の赤ちゃんみたいなカフェオーナー。彼の門出には花吹雪を盛大に散らして送り出したくなった。"自分で自分に期待する"。いい言葉だな。2025/04/18
やも
68
30代、リストラに遭い職探しも難航中の由佳。そんな中出会ったおばあさん達は、この上なくパワフルで、そして金銭面や身内の不祥事などの困難も抱えていた。由佳自身も自分勝手な母親や、不意打ちのトキメキに振り回されたり、気持ちが忙しい毎日だ。そしてある犯罪を見逃すことが出来ずに…▶ドタバタなストーリーの中のピリッとズバッとした社会風刺や、コメディな会話・登場人物達の魅力。そして今感じている一瞬が、永遠になる切なさに惹きつけられてグイグイ読めた。作中出てきた台詞の、自分を信じるじゃなくて期待をするってのがいいな。2025/06/03
みえ
60
母さんがどんなに僕を嫌いでも書いた歌川たいじさんの小説。たくさんのおばあさんが出てくるんだけど、たぶんこんな話好きな人多いかも。みんな悩みってあるんだな~。でも、ここに出てくるおばあさん方、強い。素敵。2018/12/20
むぎじる
35
会社からリストラされた由佳。営業成績は良かったけれど、30歳を過ぎた自分にあう仕事が見つからない。途方にくれながらハローワークから出てくると、自分を尾行する謎のおばあさんの存在に気付く。つけ回す理由を問いただすうちに、おばあさんの集団と知り合うことに・・・。人と知り合うことは生活を豊かにする。特に由佳のように人生の先輩たちと巡り会い、さまざまな意見を聞く機会を得ることはなんて貴重な経験なのだろう。前向きな気分になれる小説。2019/08/25
ito
31
本書には、著者のおばあさんたちへの深い愛情がつまっている。何をやってもうまくいかない主人公に自分を重ねて読むうちに、花まみれの館に住むおばあさんたちに癒され、元気をもらう。資本主義社会の周辺で生きる人々への理解と新しい社会への希望が描かれている。とりわけレナラはマリア様のような人だ。人に与え続けながら、かつての自分を後悔している。与え続けることが希望を生む。人との出会いを大切にする、うまくいかなくてもあきらめずに頑張る。おばあさんたちのそんな生き方を沢山の人に読んで欲しいと思う。2018/10/18
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