出版社内容情報
診断から死まで二カ月。凶悪な「変異がん」が蔓延、政府はがん治療のエキスパートを結集、治療開発の国家プロジェクトを開始。手術か、抗がん剤か、放射線治療か、免疫療法か。しかしそれぞれの科は敵対し。
内容説明
内閣総理大臣の肝いりで立ち上がった、凶悪がん治療国家プロジェクト・G4。外科、内科、放射線科、免疫療法科は互いに協力し、がん治療開発に挑むはずが、四派は利権にこだわり、プロジェクトは覇権争いの場と化してしまう。功績を焦る消化器外科の黒木准教授は、手術支援ロボットHALによる手術で外科を優位に導こうとするが、術後に患者が急変、死亡してしまう。同席した講師・雪野は、ことを荒立てるなと言い含められるが。
著者等紹介
久坂部羊[クサカベヨウ]
大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。作家・医師。2003年、小説『廃用身』でデビュー。医療分野を中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
78
がん治療開発の国家プロジェクトメンバーとして集められた外科、内科、放射線科、免疫療法科のスペシャリストたち。手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法のうち最も成果が出た科に莫大な予算が投入されることになり、互いに協力して治療開発に挑むはずが、泥沼の覇権争いへ発展。研究費を独占するために手段を選ばず、誹謗中傷に隠蔽捏造なんでもござれ。不毛な争いのなか関係者が次々とがんに罹患し、二重の意味で生死を賭けたサバイバルゲームとなった上巻。メディアも絡み、医学会の虚栄がてんこ盛り盛り。恐ろしいけど面白い。すぐさま下巻へ。2018/06/26
まこみん
77
凶悪がん治療国家プロジェクトG4は、外科・内科・放射線科・免疫療法の4科が協力し合って挑む筈が、多額の予算を巡って互いに醜い覇権争いの様相へ。特に各科の教授達の優位意識が酷い。高校の同級生だった外科の雪野と内科の赤崎もこのプロジェクトメンバーで、成績は赤崎が上だったが、人望があり学校生活を謳歌していた風の雪野に、強い劣等感をも抱いていた。岸上の「真がん・偽がん説」は私も以前読んだ事があった。記者の矢島塔子は熱心と思ったら自分自身ががん家系という恐怖警戒心があったのね。登場人物が次々がんに襲われ下巻へ。2020/05/31
坂城 弥生
49
がん治療に対して、抗がん剤、手術、放射線、免疫療法の4つで予算配分を争う所から始まりました。そして関係者の中からがん患者が出だして…2021/08/19
五右衛門
40
読了。感想は下巻読了後に。2019/05/18
Yosshiy
40
久坂部さんの医療サスペンス。後半は面白くて先を急ぐ様に読みふけりましたが、前半は何度も寝落ちしてしまい時間がかかってしまいました(^^;;国を挙げてのりだした癌患者治療プロジェクト。国家予算の配分を背景に外科、内科、放射線科、免疫療法科が自分達の診療科を優位にする為に発展していく醜く、したたかな争い。下巻でどう進展していくのか楽しみです。2018/09/12