出版社内容情報
小野 不由美[オノ フユミ]
著・文・その他
内容説明
叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」)。ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。あれも、いない人?(「雨の鈴」)。人気絶頂の著者が存分に腕をふるった、じわじわくる恐怖、極上のエンタテインメント小説。
著者等紹介
小野不由美[オノフユミ]
大分県中津市生まれ。京都大学推理小説研究会に所属し、小説の作法を学ぶ。1988年作家デビュー。『残穢』は第26回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
322
十二国記から入ったので、小野不由美さんのホラーを読むのはこれが初めてです。デビュー作もホラーなのでこっちが本流なんですよね。っで、こりゃ寒い季節に読む本じゃねーなって思いました。背筋ゾクゾクしちゃうんだもん。寒いのに背筋まで寒くなっちゃたまらんすよ…ホラー本自体は好きなので、抵抗はないんですけど、ここまで怖くなったのは久しぶり。短編集なのでさらっと1話が終わります。怖いですけどねwすぐ怖くなってすぐすっきりしますw絶賛連載中なので、次巻以降も楽しみです♪まぁ今の季節には読まないほうがいいですが、怖いから…2018/11/18
夜間飛行
254
第一話…古い町屋造りの家に住み始めた女性が、奧にある開かずの間に違和感を覚える話。初め我慢していた霊の気配に音や臭いや姿まで加わり、もう耐えきれなくなる。でも彼女はその家を出て行かない。呼ばれた「営繕かるかや」を名乗る若者が霊能者でないのも気に入った。以前、恐い夢をよく見た時期があって、夢セラピストから「その夢の中に現れる恐ろしいものと話をしてみて下さい」といわれたのを思い出した。本書各話もそれぞれに恐いけれど、家を軀と同じように診て直していくのでほっとさせられる。水回りや窓の大切さを再認識した。20142020/06/28
エドワード
218
古い家には何かがいる。とっくの昔に亡くなっているものの残留思念。祠を取り除いてはいけない。改築する時は要注意だ。ある地方の城下町。越して来た住人より古い家で起きる不思議な六つの出来事。屋根、壁、井戸。古い家の過去をひも解くのは、陰陽師でも探偵でもなく、営繕かるかやの青年、尾端。怪奇現象にも必ず理屈がある。魂を鎮めてやりさえすれば、家は平穏に住める場所になる。小野不由美さんは初読み。穏やかで緻密な文章に潜む恐怖感、日本人の心に響く、もののけの描写に惹き込まれる。書評が宮部みゆきさんなのが納得の人選だ。2018/10/03
Aya Murakami
207
ツイッターで存在を知って書店で購入した本。 妖怪や霊のたぐいだって人間と同じように存在して気持ちとかもあるのですよね…。怖いからといってむやみに排除するのはよくないなぁなんて改めて考えました。そして、共存するしか他に方法がない場合だってありますし…。2018/06/24
nuit@積読消化中
205
小野不由美さんらしい怪異譚に満足。どのお話も怖いが、最後はかるかやさんの優しさで救われる気持ちになれる。2018/12/05
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