出版社内容情報
平凡なサラリーマン・草間の働く小さな制作会社が突然ヤクザに乗っ取られた! しかし社長の森野は強面だがどこか憎めない。彼の心根に惹かれて仕事を続けるうちに、どうやらこの会社が組の兄弟分に利用されようとしていることがわかった。草間たちは敵を出し抜くための作戦を進める。森野もまた、社員を守るために立ち上がる――。
清水次郎長の子分・森の石松の心意気が現代によみがえる! 義理と人情の企業エンタメ。
内容説明
平凡なサラリーマン・草間の働く小さな制作会社が突然ヤクザに乗っ取られた!しかし社長の森野は強面だがどこか憎めない。彼の心根に惹かれて仕事を続けるうちに、どうやらこの会社が組の兄弟分に利用されようとしていることがわかった。草間たちは敵を出し抜くための作戦を進める。森野もまた、社員を守るために立ち上がる―。清水次郎長の子分・森の石松の心意気が現代によみがえる!義理と人情の企業エンタメ。
著者等紹介
室積光[ムロズミヒカル]
1955年山口県光市生まれ。本名の福田勝洋名義で、俳優としてテレビ・映画に多数出演、また劇団「東京地下鉄劇場」を主宰し劇作家としても活躍。2001年『都立水商!』で作家デビュー。同作はコミック化・ドラマ化もされヒット作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雅
59
かなり久々の室積作品。正直者が馬鹿を見ない感じが好きです。柔らかい雰囲気で一気読みでした2022/06/24
yamatoshiuruhashi
58
久々の室積光新刊。吃音の柔道で期待された少年が、正義感から起こした喧嘩が元でその道を閉ざされ、ヤクザの一人となる。が、あくまで任侠のヤクザでありたい男は時勢から外れたどうしようもないただのヤクザもの。その男の信義に対する心意気と現代っ子たちのコラボレーション。室積小説らしい都合のいい展開も、立川文庫並みの気持ちの良い勧善懲悪にテンポ良く読んで読後感爽やか。この3月まで「マー姉ちゃん」が再放送されていたが、あの東京の炭屋の小僧さんがこの室積光だと思うとまた感慨深い。2022/10/01
エドワード
17
コメディと思いきやシリアスだ。商店街の布団屋の主人の葬儀に現れたヤクザの老人・吉良英久。吉良は子分の森の石松こと森野敏行を、吉良の系列の会社「森野企画」の社長にする。社員は、器用な草野、ハッカー・藤井、ドスのきく小川、吉良の孫娘・凛華の4人。ゲームやアプリを作る間、親会社の富高興業の闇仕事、クスリ、コロシ、資金洗浄等を知り、富高興業の株の買収を画策する…。森野の誠実さと4人のチームワークが心地よい。今やヤクザさんは立派な会社員だ。ヤクザさんの会社のお仕事の色々が解かる。冗談も多いけどスリリングな快作だ。2025/08/04
NAOAMI
15
古き善きヤクザ、石松こと森野は喧嘩や本気で凄む時以外はどもってしまう愛すべき朴訥さ。物語は実に巧みに運び、森野が社長に就任するも、金の亡者の金融ヤクザに捨て石にされそうになる。元ホストや引きこもりハッカーやら仲間の協力関係が実に連携よくチームとしてまとまっている。出来すぎ感は否めないが、妙に嬉しくなるコンビネーション。森の石松の真解釈をベースに、悪玉が端から明白なので謎解き要素はないが、やりたい放題のヤクザに対し、森野と社員たちが合法的に反撃する終盤は爽快。私に結婚を申し込みなさい┉言われてみたい(笑)。2022/07/30
スナイデル
13
3.52024/01/30