内容説明
“夜見師”―祀られている祟り神を始末する者。その存在を知る者は限られている。五明輝は、自身の呪いが解けた後も、封じた祟り神が祀られている多々良の屋敷で、家政夫として働いている。数日休みをもらい、妹の結婚式から帰ってくると、いつも自分がいる場所に、知らない男子高校生がいた。そこへ、准教授の雪乃が見つけた箱を屋敷に持ち込んできて…自分の居場所が奪われた輝に試練が訪れる。友情と嫉妬が交差する、第2弾。
著者等紹介
中村ふみ[ナカムラフミ]
秋田県生まれ。2010年『裏閻魔』で第1回ゴールデン・エレファント賞大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りゅう☆
95
家政夫の輝は怨霊始末人夜見師多々良の助手として奮闘するも人情が湧き、結局自分や多々良に負担をかけすぎて多々良を怒らせてしまう。そんなある日、雪乃の甥京也が屋敷にやってきた。多々良は喜んで迎え入れることもしないが、追い返しもしない。そんな陽気な京也にちょっと嫉妬する輝。LOVEとかではなく多々良のことが本当に好きなんだな。彼氏を困らせたかったガングロ女子、盲目のピアニスト、孫娘と溝が深まった祖父。彼らの人生に携わるたび、このままじゃ輝の命が危ないと思った多々良は輝を解雇。多々良は一人で始末しようとして…。→2021/02/07
ううち
77
第2弾。2巻も綺麗な表紙。京也というライバル登場で、輝がムキーってなるのが可愛いし、ツンデレな王様も可愛らしい。 おじいちゃんの話は辛くて泣けてくる…。最後は今までとは違った形で終わって、ひと段落という感じ。これで終わりなのかな?続きも読みたい。2019/10/09
papako
74
続けて。呪いもとけて自由になった輝くん、さてさてどうする?突然未来があるって言われ、守るべき妹も結婚して、不安になった輝くん。しっかり自分の居場所を見せつけられるのか。多々良の叔父さん、ホノの話など、多々良も過去に向き合い、少しずつ変わっていく。輝の危うさと良さを受け入れて二人が一緒に始末することに!やっぱり微妙にBL風味だなぁ。これはお約束なんだろうな。角川ホラー文庫って唐突にシリーズ終わっちゃうことが多いから、しっかり決着つけて終わって欲しい。2018/01/20
ひのき
70
二冊目。前作よりもさらに人間関係が掘り下げられていて読みごたえがある 裁判所で事件をつぶさに見ていたらこんな感じな気分になるのだろうか、とふと思った 正直辛くて泣きそうになった このシリーズはもっと続編が出てほしかったなあと思う 2020/01/17
眠る山猫屋
68
前作で祖父の代からの呪い(理不尽!)から解放された主人公・輝。妹も嫁ぎ、平穏な人生を・・・とはいかない。夜見師の過酷な生きざま死に様を体感し、雇い主の〝王様〟から適性がありすぎて危惧されてしまう。怨霊だけじゃなく、王様まで影響を受けてしまう。それくらい開けっ広げな優しさ、共感力の持ち主。呪いのせいで、今まで孤独に生きざるを得なかったけれど、親和力のある輝だから、本来は人好きがするんでしょう。幽霊にも。それにしても今回でホノとお別れなんて。2018/10/02