出版社内容情報
強くも儚い女の執念を描いた、ひりつくような愛憎サスペンス。専門商社に勤める宗谷聡子は、弁理士の堂島と出会い惹かれるが、彼の隠された秘密を知ってしまう。やがて堂島の海外勤務を告げられ、絶望に沈んだ聡子は許されざる禁断の行為に出ることを決意する――。
徳永 圭[トクナガ ケイ]
著・文・その他
内容説明
専門商社に勤める宗谷聡子は、仕方なく受けた健診で卵巣に腫瘍が見つかり自暴自棄に陥っていた。そんななか、弁理士の堂島との出会いが彼女を変えていく。付き合いを重ねるごとに想いが募るが、聡子は堂島の隠していた過去を知ってしまう。湧き上がる嫉妬と焦り。この人の子どもを産みたい。やがて彼から突然の別れを告げられ、絶望に沈んだ聡子は禁断の行為に出る―。一途に追い求める女性の執念を描いた、偏愛サスペンス長編。
著者等紹介
徳永圭[トクナガケイ]
1982年愛知県生まれ。京都大学総合人間学部卒業。2011年『をとめ模様、スパイ日和』で第12回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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M
74
よく女性の執念深さは怖いとか言うけど、本当のところ、男性のそれ(執着心)には叶わない気がする。不器用な一本気は男性のサガだし。なので、この聡子さんについては、変わった(極めて男っぽい性格の)女性だなぁっていう見方で終始読みました、私は。なので、終盤の展開については逆に違和感なくすんなり読めました。さておき、全体的にダラダラと長い。この半分の頁数で書けるだろぉっ、などと、不束ながら思った次第。2018/04/11
James Hayashi
24
初読み作家(女性)。恋愛が語られるが感情が揺さぶられるわけではない。灰色である。読み始め、ホラーか嫌ミスかと思うほど明るさがない。そして行き着く恋愛の果て。さらにサポートする旧友。染色体のXYを表すタイトルが意味深い。2020/06/13
なえ
6
愛していれば、何をしても許されません。 聡子が怖いというか気味悪い。 男性の人はくれぐれも気を付けて。笑2019/07/22
まゆこ
5
★★★☆☆2018/11/05
R2
5
「愛していれば、何をしても許されるのか」普通これは殺人者に対して言うセリフ。なのに、これは死じゃなくって「生」、生みの苦しみを描いた小説。これは今までなかった。「喉からでるほど欲しければ難しさかどうとか考えはない。~無傷で手に入るものなら、元々たいしたことはないんだ。」とてもとても胸に刺さる。今の仕事を完成させたい。そりゃ楽しく終わりたい。けど、今も傷付いてる。投げ出したい気分になる。けど、それじゃ意味ないのか。この小説は仕事という次元ではなく、その人との子供が欲しいと願っている。自分が生きた証として。2018/05/13