出版社内容情報
下駄を鳴らして歩きたくなる温泉の町、箱根強羅。のどやかな軒並みの中に、その店はある。店主は浮世離れした美しい女性。古物商なのだが、扱う品は変わっている。それぞれが次の持ち主を選ぶというのだ。心ある器物、いわゆる付喪神なのだった。最近出入りする青年には全てが驚くことばかり。だが彼は知ることになる。大切にされた道具には特別な思い出がこもっていることを。身近なものが愛おしくなる、優しさに満ちた物語。
内容説明
下駄を鳴らして歩きたくなる温泉の町、箱根強羅。のどやかな軒並みの中に、その店はある。店主は浮世離れした美しい女性。古物商なのだが、扱う品は変わっている。それぞれが次の持ち主を選ぶというのだ。心ある器物、いわゆる付喪神なのだった。最近出入りする青年には全てが驚くことばかり。だが彼は知ることになる。大切にされた道具には特別な思い出がこもっていることを。身近なものが愛おしくなる、優しさに満ちた物語。
著者等紹介
皆藤黒助[カイトウクロスケ]
鳥取県境港市生まれ。「妖するに、怪異ではない。」で「スマホ小説大賞2014 角川文庫賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
面白かったです。人と物には縁があるということを気づかせてくれました。古いものには付喪神が宿り、次の持ち主を選ぶということはまさに出会いを待っているということの証だと思います。大切にされたものだからこそ、特別な何かがある。それを扱う古物商。身近なものを愛しみつつ、使っていきたいです。そして、もし古物と出会うことがあれば、その出会いも何かの縁として手に取りたいものです。2017/08/15
よっち
48
子どもの頃神隠しにあった際に得た不思議な力を密かに使い、百貨店でセールを伸ばしていた縁之介。ふとしたきっかけで不思議な九十九古物商店と浮世離れした店主・小町と出会ってその思いを変えてゆく物語。お客様が望むとおりに商品を勧めてきた縁之介が出会った付喪神たちと小町の関係。そして店を訪れるお客たちとのやり取りや思いに徐々に感化されていった縁之介の決断。一緒にいて変わってゆくのは彼だけではなくて、なのに素直になれない姿に切なくもなりましたが、何とか乗り越えた二人のこれからをいろいろ想像したくなる素敵な物語でした。2017/08/07
ひめありす@灯れ松明の火
43
骨董品ではなく古物。リサイクルショップほどの回転の良さがある訳ではないようなので、西洋のブロカント位の物を扱っているのかな?そんな古物店の麗しき女主と出会う主人公は物事の縁を見る力を持っていて……というファンタジックなお話。ただ売り上げがあればいいと思っていた彼が少しずつ物と人の付き合いを学んでいきます。寄木細工のお話が一番好きだけど悲しいな。箱根は強羅に住んで小田原の百貨店に勤務する主人公という事ですが、強羅多分アパートないよ……あるとしても普通の人が住めるプライスじゃないよ………と思いながら読みました2018/09/30
はな
43
装丁買い。付喪神のお話。主人公は付喪神のついた根付を持つデパートの販売員。お客が望むものだったら何でも売るというスタンス。飽きてしまったら買いかえればいいと思っていたけれど、九十九古物商店の店主や付喪神たちとのやり取りの中で次第に大切にしたいと思うようになる。付喪神はそれぞれ所有者が大切に思っていた感情とともにあったもの。そう考えると、今自分の大切にしているもの、これからも大切にしたいもの、できれば子供たちに引き継いでもらいたいものなど本を読みながら自分自身の周りの物について考えるものもあった。2017/07/30
hirune
34
【Kindle】付喪神関係のはちゃめちゃなラブストーリーでした。縁之介…面倒くさい奴でした😅そして小町さんだって大分面倒くさい。。ウサギの根付けの先輩が口は悪いが可愛らしい♪やっぱりウサギは縁を結んでくれるのね🐰 2022/02/16
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