角川文庫<br> 知らない記憶(こえ)を聴かせてあげる。

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角川文庫
知らない記憶(こえ)を聴かせてあげる。

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041056080
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

手紙でも、メールでもなく、 声だけだからこそ伝えられる想いがある。反訳(はんやく)とは記録媒体に吹き込まれた音声や動画を、文字に書き起こす「テープ起こし」の作業を指す。清澄白河にある音谷反訳事務所の店主・久呼(ひさこ)は、仕事の腕は超一流だが「個人宛てのテープは起こさない」という信条を持っていた。ところが新たな依頼は、トラウマを抱える青年・陽向の亡き叔父の遺稿を起こしてほしいというものだった。吹き込まれた声の裏にある本当に伝えたい想いとは――記憶(こえ)がつなぐ絆と再生のお仕事小説!

石井 颯良[イシイ ソラ]
埼玉県坂戸市出身。成城大学卒。東京都板橋区在住。第1回 角川文庫キャラクター小説大賞において「コハルノートへおかえり」で奨励賞を受賞。

内容説明

反訳とは記録媒体に吹き込まれた音声や動画を、文字に書き起こす「テープ起こし」の作業を指す。清澄白河にある音谷反訳事務所の店主・久呼は、仕事の腕は超一級だが「個人宛てのテープは起こさない」という信条を持っていた。ところが新たな依頼は、トラウマを抱える青年・陽向の亡き叔父の遺稿を起こしてほしいというものだった。吹き込まれた声の裏にある本当に伝えたい想いとは―記憶がつなぐ絆と再生のお仕事小説!

著者等紹介

石井颯良[イシイソラ]
1983年生まれ。埼玉県出身。成城大学卒業後、放送制作スタッフなどを経てフリーに。2016年に第1回角川文庫キャラクター小説大賞奨励賞を受賞した『コハルノートへおかえり』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スズ

60
信頼していた人達に裏切られ対人恐怖症になってしまった丹羽陽向は、童話作家だった叔父の遺稿が吹き込まれたカセットテープを父から送られ、音声を文字に書き起こして貰うべく音谷反訳事務所を訪ねるが、「このテープはお引き受けできません」と断れてしまい……。記録媒体に吹き込まれた音声を文字に書き起こす作業「反訳」を生業にする無愛想で年中着物姿の美人・音谷久呼と出会い、人の想いを繋ぐ反訳の魅力を知り弟子入りした陽向と、彼に厳しく指導しながらも、音声機器だけの部屋で寂しげに居た久呼が笑顔を取り戻していく姿に惹かれました。2017/10/07

はつばあば

58
ここで知り合った読み友さんが本業以外にテープ起こしをしていると聞いた時は「ふぅんすごいなぁ。お若いのに土日無しで頑張っていてはるんや」と驚きと尊敬のマナコでおりましたが、この本を読んで益々凄いと。毎日ヒマに任せ読みたいだけ本を読んで、目が疲れた、肩が凝るなどと腑抜けな私と違い、毎日遠距離通勤でお仕事を済ませ、土日にはテープ起こし、そしてご両親のお世話と。うちの娘に爪の垢でも・・。子供達が小学生の頃の夕食時に隠しテープに残された声、自分で自分の声を聞いて「これ私の声?」もう一度家族全員の声を録音したいものだ2019/06/08

よっち

30
勤務先で先輩の失敗を押しつけられて辞め、叔父が住んでた家に籠もっていた陽向。彼の元に届けられた叔父のテープを原稿起こししてもらうため、音谷反訳事務所の久呼と出会うお仕事小説。訳ありで個人宛てテープは起こさない信条の久呼に反訳のやり方を教えてもらううちに、テープの真意や反訳の奥深さを知って彼女に師事しその仕事を手伝うようになってゆく陽向。意気込みが空回りすることもありましたけど、自身も抱えているものがある久呼とは足りないところをお互い補い合えるいいコンビになりつつあって、続巻あるならまた読んでみたいです。 2017/06/07

のんちゃん

26
お仕事小説。今回はテープ起こしをする反訳という職業。久呼は東京下町で音谷反訳事務所を経営しているとびきりの美人。仕事は正確だが、個人宛のテープ起こしはしないという。そこに社会をドロップアウトしている陽向青年が自身宛のテープ起こしを依頼して…というお話。友人が暮らしている馴染みの町が舞台だったので手に取った。少々、話の運びがくどい所があったが、反訳という馴染みのない仕事の内容も知れて、読んでよかった。また、悪人もでてこず大団円で終わるお話だったので、そこも好みだった。2019/01/27

PAO

23
都心と下町の中間でちょっとおしゃれでちょっと人情っぽい清澄白河を舞台としていますがこの本自体もこの街のカラーに似ていると思いました。反訳という言葉自体も知らずバイト程度という認識は陽向くんと同様でしたがその奥深さがわかりました。但し反訳士と標本士との違いはあれど、久呼さんキャラがは「櫻子さんの足元には…」の櫻子さんの態度、言葉づかい、境遇とかなり被っているので、それを良しとするか否かで評価が分かれるでしょう。少なくとも私は楽しめました。そして、シリーズ化も期待します。それにしても調臣さん、いい人過ぎです!2018/05/13

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