出版社内容情報
真実を求めて照準は揺れる!?
東京五輪の馬術競技会場で起きた韓国代表キム・セリョン暗殺事件。背後には日米韓を揺るがす極秘情報が存在していた。事件の統括責任者として内閣参与に就いた元内閣情報調査室長の冴木は、北朝鮮の潜伏工作員・和仁と手を組み、真相に迫ろうとしていた。一方、セリョンのSPを務めた巡査部長の藤田は、彼女を守れなかった悔恨の思いを胸に、真犯人と、彼女が遺した“あるデータ”の行方を追っていた。すべてのカードが開かれたとき、世界は予想をはるかに超えた新しい顔を見せる――!!
内容説明
米軍が“外注”される日!?巨額のカネが絡んだ各国の覇権を巡る争いと個人の思惑が複雑に交錯する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
211
上下巻、550頁弱一気読みしました。著者の新境地のせいか、テーマや発想は面白そうな気がしたのですが、内容的には深みがなく、残念な結果となりました。この路線を行くのであれば、フレデリック・フォーサイスやトム・クランシーとかを良く読んで精進下さい。2019/09/23
utinopoti27
147
韓国大統領の姪を、衆人環視の環境下で狙撃した犯人は誰で、その目的とは何か。北の工作員たちの相次ぐ変死事件も絡む中、事態は日米と南北朝鮮それぞれの国家的思惑が交差し、混迷の度を深めてゆく・・。下巻に入り、駐留米軍に関する利権の構図が見えてくる。どうやらその証拠隠滅を巡る動きらしい。ただ、前半で大風呂敷を拡げたわりには何ともあっさりした結末に、少々肩透かしを喰った感は否めない。上下巻併せて5百ページ超を費やした、まさに壮大な【竜頭蛇尾】と言うべきか。小説はしっかりしたプロットが生命線だと思い知らされる。2021/06/11
Yunemo
57
あまりに元内閣情報調査室長冴木をスーパーマン化し過ぎ、全ての分野を掌握し解決してしまうなんて、ちょっとやり過ぎでは、との想いも残って。自身が、今までの著者作品に拘らずに新境地の分野と割り切って、いわゆるスパイアクションを堪能できればいいんだ、と下巻途中から切り替えると面白味倍増。作中で表現される、もはや日本という国では、外国に蹂躙されても、国益を食いつぶされても、誰も何も気にしないのではないか、心底身に沁みます。全てにおいてマネー優先社会になった現在、この分野を記してきた著者の新たな視点を楽しんで期待大。2019/10/22
クリママ
54
タイムリーで、現在の情勢を見据えた国際問題。だがそんな大きな陰謀が個人の力だけであっさり解決してしまってもいいのか。工作員からトリガーを引かれない限り眠り続ける諜報員も、起きて見ればあまりパッとしないし、誰にもときめけない。エスピオナージか、ハードボイルドか、ミステリーか。真山作品は、経済小説のほうがずっと好き。2020/02/11
ゴンタ
48
上下巻合わせて、1週間と少しくらいで読んだ。登場人物の多さも徐々になれてきて、真山作品らしく登場人物の個性が光りだす。スパイものはハーディても書いていたけど、純粋にスパイに特化した作品として非常に面白い。というか冴木さんカッコよすぎでしょ笑 感動する、というより、楽しく裏切られる展開が堪らない。 チーム タンザナイトで、他の事件もサクサク解決する話を読んでみたいのは自分だけ? ハゲタカシリーズに続くスパイものシリーズとして、次回作が書かれるのを楽しみにしています。2020/02/19