出版社内容情報
謀略の引き金はひかれた!
2020年7月24日、東京オリンピックがついに開幕した。現役検事ながら馬術競技韓国代表のキム・セリョンは五輪直前、二度も凶漢に襲われ、ある不正に関する極秘捜査をやめるように脅されていた。5月半ばには、在日米軍女性将校と北朝鮮の潜伏工作員の変死事件が相次いで発生。三つの事件の裏には、日韓の在日米軍に関するある謀略が蠢いていた――。アジアの安全保障を根底から揺るがすパンドラの箱が、いま開かれた!!
内容説明
凶弾にに斃れた選手は、日米韓の安全保障を根幹から揺るがす情報を掴んでいた―。デビュー以来、社会問題に真っ向から切り込み、骨太でエンターテインメント性を兼ね備えた作品を発表し続けている著者の、王道謀略小説!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
144
在日米軍の女性将校の遺体が、切断された舌を口に押し込まれた状態で発見される。その頃、北朝鮮の工作員が相次いで殺害されており、緊張感MAXの中、さらに事態は2020東京オリンピックの開幕とともに深刻度を増す。馬術競技金メダル候補の韓国大統領の姪が、競技開始直前に何者かによって狙撃され、命を落としたのだ。いったい何が起こっているというのか・・。日米・南北朝鮮入り乱れた、ひりつくような諜報戦が展開する中、次第に混迷の度を深めるストーリーから目が離せない。経済小説にとどまらない真山氏の本気を感じつつ、下巻へ急ぐ。2021/06/08
クリママ
54
米アーリントン基地から始まり、ソウル検察庁、東京警視庁、北朝鮮諜報員と舞台が目まぐるしく変わる。2020年東京オリンピック直前、惨殺された死体と、オリンピックに馬術で出場する韓国女性検事に届く脅迫状。主役は、元内閣情報調査室長らしい。鷲津と同じなのは小柄なこと。どんだけデキル男なのか知らないが、会話の間にいちいち挟まれるバカだとかチョンだとかが気に障る。オリンピックで起きる殺人事件。その裏にある重大な陰謀が、なんだかあっけなく語られてしまう。う~ん。2020/02/10
Yunemo
48
2020年東京オリンピックが契機、日韓関係、北朝鮮のエージェント、どういう方向に事が進んでいくのだろうね、初めは楽しみに、章立ても男の女の状況設定で、これまた興味惹かれ。北朝鮮潜伏工作員眠りネズミとは、誰?興味尽きぬままに。でもね、なんだか謀略の引き金としてはちょっと無理があるんじゃないかな、という想いにもなって。日韓の安全保障を根底から揺るがす施策、米軍撤退・民間軍事会社への移行、これって現米国大統領の経済センスからすると十分あり得ることですね。日韓の政治、検察対応の変化をどう表現してくれるのか楽しみ。2019/10/14
なっく
43
韓国と北朝鮮、政治と防衛をめぐる日・韓・米のパワーバランス、そしてお決まりの公安とか警視庁SPとかスパイが絡まる。まあ、そこらへんてんこ盛りで分かりやすく、テンポも良く、どんどん読み進む。さあー、この勢いで下巻へ!と思ったが図書館が閉館でしばしの小休止。小説の中でも東京2020オリンピックが舞台だったりして、そこらへん悲しい。2020/05/18
ゴンタ
43
登場人物が多くて、しかも複数国家なので、少し脱落しそうになったが、セリョンが撃たれてからは途端に面白くなった。しかし、東京オリンピックで、しかも競技者が暗殺なんかされたら、実際は中止になってしまうんだろうな。2020/02/19