内容説明
江戸川乱歩があこがれていた異世界、禁断の夢をえがいた表題作「火星の運河」。そして、ホラー、怪談、怪奇幻想文学関連の“乱歩随筆”の名品多数をふんだんに収載。乱歩の文章が本書のような形で集大成されるのは史上初の試みである。類書もまったく存在しない。日本ミステリーの父・江戸川乱歩によるホラー読本。
目次
第1部 乱歩地獄(非現実への愛情;火星の運河;鏡怪談;悪夢;妖虫;映画の恐怖)
第2部 懐かしき夢魔(残虐への郷愁;郷愁としてのグロデスク ほか)
第3部 ホラーへの誘い(透明の恐怖;フランケン奇談 ほか)
第4部 怪談入門(怪談入門;怪談二種;猫と蘭の恐怖;祖母に聞かされた怪談;西洋怪談の代表作)
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌の編集、新聞記者などを経て、1923年『二銭銅貨』でデビュー。以後、『D坂の殺人事件』『人間椅子』など短編を次々と発表。日本の探偵小説界に大きな業績を残す。65年没
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業。アンソロジスト。怪談専門誌『幽』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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王天上
7
乱歩のホラー関連のエッセイを集めた一冊。怪談入門が丸ごと収録されていて便利。乱歩の小説の挿絵を集めた画集とか出ないかな。2017/02/22
アルクシ・ガイ
6
懐かしきホラーもの案内。表紙は別の意味でホラー。2016/06/28
鏡子
4
「人間に恋はできなくても、人形には恋ができる」乱歩のホラーに関する随筆をかき集めてくださっている。甘やかで仄暗い郷愁(解説より)・・倒錯、歪曲、幻妖、霊妙・・・乱歩の見てきた恐ろしくも美しい世界の話がこれ一冊で深く味わえた。魅力を感じた項目のタイトルを挙げておく。鏡怪談、妖虫、人形、瞬きする首、レンズ嗜好症、映画の恐怖...「怪談入門」は乱歩の読んだ小説を分類分けして本人が解説している。透明、動物、植物、絵画、音、鏡と影・・・読みたい本が増えすぎて困った。乱歩のホラーの感性が好きな方には本当におすすめ。2015/08/21
misui
3
乱歩のホラーまわりのエッセイを集めた重宝な一冊。自身の趣味を開陳するとともに、日本の怪奇幻想文学にいかに大乱歩による海外作品の紹介が寄与したかがよくわかる。2022/06/10
Mof
2
紹介されている本を読みたいのに、読めないのが悔しい。2022/01/07




