無貌の神

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041052693
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

生きることにつきまとうやるせなさをあぶりだす傑作ブラックファンタジー!貌のない神は、喰う――。赤い橋の向こう、世界から見捨てられたような禁断の地にさまよいこんだ私。
かの地の中心には、顔のない神が坐して、輝きを放っていた。万物を癒やす力を持つその神には、代々受け継がれている秘伝の奥義があった。そのことを知った私がとった行動とは?(「無貌の神」)デビュー作『夜市』を彷彿とさせる表題作ほか、生きることにつきまとうやるせなさをあぶりだしながら、時代も国籍もジャンルも縦横無尽に飛びこえ、自由闊達、神話的な語りの境地をみせる傑作ブラックファンタジー全6作!

無貌の神
青天狗の乱
死神と旅する女
十二月の悪魔
廃墟団地の風人
カイムルとラートリー

恒川 光太郎[ツネカワ コウタロウ]
1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

内容説明

この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人のための暗黒童話全六篇!

著者等紹介

恒川光太郎[ツネカワコウタロウ]
1973年東京都生まれ。大東文化大学卒。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞。単行本はデビュー作にして直木賞候補に。山本周五郎賞候補、吉川英治文学新人賞候補と、新作を出すごとに注目を集めている。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サム・ミイラ

315
読み友の皆さんに教えてもらった恒川光太郎。郷愁を掻き立てながら人の世の無常と不思議を綴るこの方にしか書けぬ世界。読み終わり必ずしばしの余韻に浸れる稀代のストーリーテラーである。この無貌の神も作者の良さが存分に出た短編集。実にこの人らしい表題作をはじめ、超自然な現象ももしかするとこういう事かと思わせてくれる「死神と旅する女」や「廃虚団地の風人」そして少し毛色の違う最終話。お伽噺のような、しかしたまらなく愛しく切ない物語に不覚にも泣いてしまった。このカイムルとラートリーを私はきっと忘れない。2018/09/20

おしゃべりメガネ

275
久しぶりの恒川さん作品です。やっぱり恒川さんは長編だろうと短編だろうと何を書かせても、やっぱり恒川さんだなぁと思わせてくれました。ホラーでもあり、ファンタジーでもある不思議な作品群でしたが、個人的には「カイムルとラートリー」がピカイチでした。他の作品は好みな作風と、ちょっと入り込めなかった作風とに別れてしまい、中途半端な感じも否めません。しかし、「カイムル〜」はなんともステキなファンタジーで、これぞまさしく恒川ワールドの真骨頂な仕上がりでした。あの名作『夜市』のステキな雰囲気を本作でも十分に味わえます。2017/04/14

美紀ちゃん

259
恒川光太郎さんの6つの短編集。 どれも怖面白い。 77人日本刀で斬る12歳の少女の話がとても印象的。「死神と旅する女」 「廃墟団地の風人」も好き。 私も重いから空の国に帰れない。 重さは、体重計に乗った時の針の位置ではなく、存在としての重さ。地上に対する未練、執着、想い。 カイムルとラートリーも壮大なファンタジーのような感じで良かった。2021/09/11

chika

243
名作、夜市と甲乙つけがたい、暗黒ファンタジー6話です。中でも、[死神と旅する女]は宮沢賢治の銀河鉄道の夜と、江戸川乱歩の押し絵と旅する男を掛け合わせような異次元ワールド!。[カイムルとラートリー]は、ネバーエンディングストーリー張りで心温まる切ないお話です。不思議な恒川幻想世界の余韻は心地よいですね。σ(^_^;)2017/04/18

Ame

223
はーお腹いっぱい。恒川さんの編み出す幻想的な世界観が大好物な一読者としては嬉しい新刊でした。帯に暗黒童話とありましたが、実際童話と呼ぶのに相応しい軽いタッチの読みざわりで、各話作品の雰囲気を楽しむものでした。個人的には恒川節の濃ゆ〜い倒錯的な幻想譚を読みたかったのですが、これはこれで。「死神と旅する女」や「廃墟団地の風人」がコンパクトで読み易かった。「カイムルとラートリー」はお得意の空想上の生き物(獣)もので、ラストにかけての話の運び方はお見事!の一言に尽きます。装丁がめちゃくちゃ綺麗なのも◎です。2017/02/03

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