出版社内容情報
本懐か、愛する女か。辻番人の浅井源三郎は、仇持ちの武士の窮地を救えるか
内容説明
商人の娘と所帯を持つため、武士の身分を捨て、辻番人として生きる道を選んだ浅井源三郎。先任の辻番人頭が負傷し、源三郎が代わりに赴任した地は、浅草の薬師橋だった。ある日、源三郎は、橋のなかほどで職人たちに絡まれている女を助けた。お藤と名乗った女は、毎夜、橋で男を待っているという。だが、彼女と恋仲の男は、敵持ちの武士だったのだ。敵を見つけた男と、叶わぬ恋を願う女。源三郎は、二人を救うことができるのか。書き下ろし時代小説。
著者等紹介
吉田雄亮[ヨシダユウスケ]
1946年佐賀県生まれ。雑誌編集者を経てフリーライターに。ノンフィクション、コミック原作、実録小説を手がけ、映画化、テレビ化作品も多数。2002年「裏火盗罪科帖」シリーズで時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごへいもち
7
この先は無いのか2024/11/30
ぱんだモン
1
武士身分を捨て町人として生きるには、これほどの覚悟が必要なのかと思い知らされる一冊。町娘との愛を貫くために町人に身分を落とすが、理不尽な武士の言い分に、幼馴染の前で土下座も厭わないほどの愛とはどれほどのものか。降りかかる難題に剣の達人が町人に身を落とした故に剣を捨て智恵で解決を試みる。真摯な性分がため、身分の差が引き起こす問題に悩み苦しむ姿は、必ずや応援したくなるはずだ。 #吉田雄亮 2017/09/02
のんぶぅ
1
旗本の跡目に係わる揉め事で、血の繋がる孫を返せとの理不尽な横車を、兄弟子の火付盗賊改・与力の助力にて退ける。子供に一刻も早く会いたい・・母と子の再会に源三郎の住まいに向かう、家族を送り届け、立ち去ろうとする二人の背後に駆けつける足音「泣けます」。源三郎と恋女房の・千賀の頭上には、昨夜は、一人で眺めた月が帰る二人を見守っている。こし屋橋に見上げし浅草の月やられたぁ。 こし屋橋が、気になり雪のこし屋に・・・。2017/07/29