出版社内容情報
七三分けの幽霊と、今どき女子高生が忘れ物を探す、コミカルで切ない物語。女子高生のきよ子が公園で出会ったのは地面に首まですっぽり埋まったおじさんでした――「私、死んじゃったんですよ」“シチサン”と名乗る悩みを抱える気弱な幽霊と今どき女子高生の奇妙な日々が始まった。
小嶋 陽太郎[コジマ ヨウタロウ]
1991年、長野県松本市生まれ。信州大学在学中。2014年『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、同作でデビュー。他著作に『火星のはなし』『おとめの流儀』がある。
内容説明
女子高生のきよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まですっぽり埋まったおじさんだった。「人生の小路に潜む、落とし穴にはまり…」と間抜けな格好で嘆く男。きよ子は助け出そうとするも、途中で車にはねられ病院へ。その後、目を覚ましたきよ子の前に、なんとあの男が現れた。「私、死んじゃったんですよ」そう、幽霊となって―七三分けの気弱な幽霊と今どき女子高生の奇妙な交流を描く、切なく不思議な新感覚の青春小説。
著者等紹介
小嶋陽太郎[コジマヨウタロウ]
1991年、長野県生まれ。2014年、信州大学在学中に、『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
63
楽しかった!アンソロジーの『シャイセ』が気になっていて、デビュー作のこちら。公園にすっぽり埋まっていた七三分けの銀縁メガネ。助けようとした女子高生のきよ子、車に撥ねられ大怪我して入院。そして七三分けは死んで幽霊シチサンに。彼はなんで埋まっていた?なぜ幽霊になったのか?ラストはきよ子の親友キエちゃんの活躍で敵をやっつけるも、シチサンはルール違反で消えてしまう。『気障でけっこう』ほろっとさせられる。これは文章の好き嫌い分かれそうだけど、私は楽しめた。他の作品も機会があれば読みたい。2021/11/30
りょうこ
40
これもなんとなーく買った本。ちょっと読みにくい文章回しもありましたが...全体的には好き。この作者さん..他のも読んでみたいな!ってか読む!おとめの流儀が気になる。なんと!薙刀物だ(笑)元薙刀部員としては読むしかあるまいw2016/12/22
よっち
33
女子高生きよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まで埋まったサラリーマン。助け出そうとするも途中で車にはねられ病院へ。その後入院したきよ子の前にその男・シチサンが幽霊として現れ取り憑いてしまう青春小説。最初は独特のテンポで斜め上の展開が続く物語なのかと思っていましたが、シチサンが現れた理由が明らかになる後半以降は、身の丈に超える問題に巻き込まれたきよ子が、強烈なキャラの友人キエちゃんと奮闘する急展開で、終わってみれば掴みどころのなかったシチサンの想いと矜持もきちんと感じられるいい感じにまとまった物語でした。2016/11/27
た〜
24
もっとお馬鹿な話かと思いきや・・・いや、やっぱり結構お馬鹿か。「公園に、おじさんが生えている」というお馬鹿なところから話が始まるり、更にはそのおじさんが幽霊になって現れる。ますますお馬鹿かとおもいきや、結構シリアスな展開に、なのになぜか神様とやらが妙にお馬鹿で・・・ おまけの短編は友達であるキエちゃんの話。こちらもいい感じに力が抜けていて面白かった2016/12/10
信兵衛
23
女子高生と幽霊の漫才的やりとり、同級生のびっくり仰天な行動ぶり、そして語りのテンポの良さが楽しい作品。2017/09/07