ふたりみち

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041047453
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『愛の讃歌』に乗せて唄い上げる感動の人生劇場! 山本幸久、最高傑作。元ムード歌謡の歌手で、今は函館の小さなスナックのママ野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのである。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのになぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。彼女が母親と喧嘩して家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ最終目的の東京まで連れて行くことになる。しかし、彼女のコンサートツアーは、行く先々でトラブルが起きことあるごとに中止になってしまう。なかなかステージに立てないゆかりを支える縁。2人は55歳の歳の差を超えていつか、固いきずなで結ばれていく。そしてついに最後の会場、東京に着いたふたり。ゆかりは、ここだけは絶対に唄い上げるつもりだった。そこには、ゆかりの悲しい過去が刻まれていたのだ。
笑って笑って笑って、そして……ラスト一行に号泣! ピアフの『愛の讃歌』に乗せて描かれる、切なくて人生のすばらしさに打たれる、山本幸久の最高傑作!

山本 幸久[ヤマモト ユキヒサ]
著・文・その他

内容説明

函館から津軽海峡をフェリーで渡る67歳の野原ゆかりは、元ムード歌謡の歌手。借金返済のため、営業の旅に復帰したのだ。その船内で知り合った12歳の家出少女森川縁が、なぜかゆかりの後をついて来る。旅先で起きるトラブルや55歳の歳の差を乗り越えて、いつしかふたりは固い絆で結ばれていく。そしてたどり着いた最後の会場、東京。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていた…。

著者等紹介

山本幸久[ヤマモトユキヒサ]
1966年東京都生まれ。中央大学文学部卒業後、会社勤務を経て、編集プロダクション勤務。2003年『笑う招き猫』で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。人情味あふれるあたたかな作風で人気を博す。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

213
キレいなだけの人間ドラマだけではなく、笑いあり涙ありのコミカルさもしっかり書き綴る山本さんの新刊はこれまた見事なロード喜劇でした。67歳の元歌手「ゆかり」と12歳の家出少女「縁」、奇しくも二人で函館から営業の旅に出たココロ温まるお話です。最初から最後まで見事に山本さん節がきいていて、鼻がツンとなるお涙ポイントも多数ありました。ワケありの人生を乗り越えてきた「ゆかり」の『運命に逆らう』というセリフはグッと胸に響きます。泣くなぁとわかってはいてもやっぱり最後はしっかりと泣かせていただき、ブラヴォ!な作品です。2018/04/30

いつでも母さん

207
『無愛想ブルース』本当にあったのかと思ってしまった昭和ド真ん中の私でした。幼い頃親戚が集まると歌を唄わされて、あれは嫌だったのに唄わない選択などなかったなぁ・・と思い出した。67才の元歌手・ゆかりのドサまわりに12才の家出少女・縁(ゆかり)が付いて行く。いつしか二人には『絆』が生まれて・・『運命に逆らうのよ』かぁ。いい。なんだか良かった。67才まで生きて来るにはいろんな事があったよね。ラスト数ページ、ラスト1行に胸がグッと来る。ゆかりの『愛の賛歌』を聴いてみたくなった。2018/05/05

ユザキ部長

138
「笑って泣いて、怒ってまた泣いて。また笑って。67歳にして感じたリア充」とても良かった。最近の山本幸久さんの本はキャラ立ちがぶっ飛んでる感を多少感じてました。今作はお年だし?抑えめでもポップな感じは楽しくてウキウキしながら読めます。「ひとりでは寂しい。それなら運命に逆らって生きよう」2018/07/10

あすなろ

132
コロナワクチン副反応と共に読了。そんなシチュエーションに読むには適した作品でもあった。67歳の引退した元歌手。そして、日陰者と自負している元歌手がもう一度だけとかつての伝手を辿り、自らツアーを組んで周り始めた。そこに加わる少女。ペーソス感溢れるだけの筈のこのストーリーを山本氏は常に明るく照らすのである。そして、明るい落涙シーンをラストに向けて準備していく。そのラストがまた良いのである。スタートはどういう物語なんだととっ散らかった感を正直思ったのではあるが。後は印象的な「運命に逆らえ」である。2022/04/30

紫 綺

128
歌手ゆかり67歳、家出娘縁12歳のドサ回り珍道中。軽快なテンポで、読む者の心に染みいるステキな一冊。これが気に入った方には、桂望実さんの「僕とおじさんの朝ごはん」をオススメしたい。2018/04/28

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