出版社内容情報
俳壇の重鎮は母とどのような関係にあったのか。震災と戦争を繋ぐ傑作文学。若き日、型破りな戦争句で一躍俳壇の寵児となった鴻海。喉頭癌で声を喪った鴻海の招待を受け、作家・玄は、俳句を嗜んだ母の思い出を胸に、結社に出入りするが、鴻海の作品の中に、幾つかの剽窃の痕跡を感じ--。
三田 完[ミタ カン]
1956年埼玉県生まれ、小説家。慶應義塾大学文学部卒業。NHKに勤務、ディレクター、プロデューサーとして主に歌謡番組を担当。退職後、テレビ番組、音楽プロデュース等に携わる。2000年、「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞を受賞。『俳風三麗花』で第137回直木三十五賞候補。
内容説明
俳壇の重鎮、窪嶋鴻海主宰の句会に列座することになった小説家、玄は、今は亡き母の句が、鴻海のものとされていることに気付く。よもや剽窃か。声を喪った巨匠は、なぜ自分を側に置くのか。疑問を抱えたまま玄は、鴻海の出身地にして『おくのほそ道』の地、石巻への旅に同道するが―。津波で被災した地で繙かれる過去の秘密。震災で露わになった剥き出しの現実が玄に迫りくる。男と女、人生の虚と実が、炙り出されてゆく。
著者等紹介
三田完[ミタカン]
1956年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。NHKに勤務、ディレクター、プロデューサーとして主に歌謡番組を担当。退職後、テレビ番組、音楽プロデュース等に携わる。2000年、「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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