出版社内容情報
立て続けに舞い込んだ奇妙な依頼。2人の探偵が隠す真実とは!?横浜・馬車道にある喫茶店「ペガサス」で働く毅志は、二階に探偵事務所を開いた皆藤と山南の仕事を手伝うことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱いていく……。
貫井 徳郎[ヌクイ トクロウ]
1968年東京都生まれ。93年『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞。他書に『天使の屍』『崩れる』『灰色の虹』『新月譚』『微笑む人』『ドミノ倒し』『私に似た人』『我が心の底の光』など多数。
内容説明
横浜の馬車道で探偵事務所を始めた皆藤と山南。優秀で快活な彼らに憧れを抱いた喫茶店マスターの毅志は、2人の仕事を手伝うことになった。しかし、復讐や男女を引き合わせるといった、探偵としては奇妙な依頼を受ける彼らに、毅志は違和感を覚える。何か裏があると独自に調べ始めた毅志は、2人の隠された過去を知ることになり―。緻密な伏線が繋がったとき、驚愕の全貌が姿を現す。感動と衝撃のサスペンスミステリ。
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。93年、鮎川哲也賞の最終候補作『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
62
横浜は馬車道で母と喫茶店を営む青年・毅志。店の2階を間借りして探偵事務所を始めた皆藤と山南に憧れ、仕事を手伝うようになるが、暴行犯への復讐、男女のマッチングと不可解な仕事が続く。憧れる男達に近付く為真相を調べ始めるが…貫井さんはどんなに分厚くても読ませるリーダビリティの高さが魅力の作家だと思っているが、どうも淡々としていて心を掴むとっかかりがないというか、お得意の人物描写も抑えめで塩分控えめな感じ。イイ話なんだけど、毒がなく気分が乗らないまま終わってしまい残念。貫井さんに健康志向は求めてないということで。2017/06/09
となりのトウシロウ
60
久しぶりの貫井徳郎。引き込まれてあっと言う間に読了。喫茶店の2Fに探偵事務所を構えた皆藤と山南。二人に興味をもった喫茶店の毅志が彼らの仕事を手伝う。ただこれが普通の探偵の仕事と少し違うことに違和感を持つ毅志が周辺を探り出しついに真相にたどり着くというストーリー。毅志が謎を解くところまでは非常に面白くテンポよく読み進むが、ラストにかけて残念な気持ちになる。ここまで盛り上げて、えっこれ・・・?練られた構成で面白かっただけに少しがっかり。う〜ん・・・2021/11/23
ワレモコウ
55
馬車道の喫茶店の2階で探偵事務所を始めた皆藤と山南。2人の仕事を手伝うことになり、やがて強い憧れを持つようになった喫茶店マスターの毅志の、成長物語とも言える作品。2人の仕事が、探偵の仕事とは違う気がした毅志。突然と失踪してしまった2人を探しながら、謎を解いていく。色々なジャンルを書き分ける貫井さんだけど、この作品は、あまり好みではなかった。「感動と衝撃のサスペンスミステリ」と謳っているけど、それにはだいぶ物足りない感じ。2022/12/07
NADIA
53
横浜 馬車道にあるコーヒーが滅法美味い喫茶店ペガサス。店の2Fには探偵事務所がある。馬車道の探偵事務所というと、私は〇田〇司のキテレツな超名探偵が真っ先に頭に浮かぶが(^^;、今回の探偵はとても人好きのする感じのいい2人のナイスガイで、語り手である1Fの喫茶店マスター(母親が店主)は2人に憧れるあまり助手を願い出て手伝わせてもらっているほど。ストーリーは先を急がせられる面白さだが、結末は・・・イマイチかな(^^; うーん、ミステリアスな探偵たちの正体はあまり分からない。タイトルは喫茶店の店名絡みか。2017/08/23
JILLmama
46
喫茶店を営む毅志と探偵事務所を始めた皆藤と山南。毅志は、探偵をする2人に憧れて手伝い始める。2人の訳あり感は最初から感じていたけど、そんな過去があったんて。盛り上がりに欠ける単調さはありますが、男同士の友情が書かれていてミステリだけど、心温まる作品でした。