209号室には知らない子供がいる

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041043424
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

209号室の葵は、ほら、あなたのすぐ側に。人気作家が描くホラーミステリリバーサイドに建つ瀟洒なマンション。
209号室には、少年「あおい」が住んでいる……。

やりがいのある仕事を辞め、専業主婦となった菜穂。
夫は家のことは何一つせず、気が向けば子供の遊び相手になる程度。
「これじゃまるで大きな子供ね」といらだちが募っていたある日、
209号室に住む「葵」という名の美少年が現れる。
葵は息子の遊び相手を務め、ありがたく思う菜穂だったが、次第に夫までもが子供のような奇妙な振る舞いを始め……。
自分の力でマイホームを購入し、理想的な年下夫も手に入れた亜沙子。
妻と死別した、憧れの上司と結婚した千晶。
妹に彼氏を寝取られ、慰謝料をもらって新たな人生を踏み出した和葉……。
一見「ちゃんとして」見える女たちは、しずかに歪み、壊れていく。
……209号室の少年、葵によって。
そして、209号室のオーナー、羽美の周りでも奇怪な出来事が起き始め……。
これは呪いか、人災か。女の業が交差する、ホラーミステリ決定版。

櫛木 理宇[クシキ リウ]
1972年7新潟県生まれ。2012年、『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。瑞々しいキャラクターと読みやすい文章で読者モニターから高い支持を得る。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。

内容説明

リバーサイドの瀟洒なマンション、「サンクレール」。209号室の少年・葵が現れた日から、「ちゃんとした」住人たちは崩れ始める。いわゆる「勝ち組」の専業主婦・菜穂、理想的な年下夫と結婚したキャリアOL・亜沙子、妻と死別した上司と年の差婚をし、家庭を得た千晶。不実な彼氏の代わりに、慰謝料を得た和葉。「どうしてわたしが」「何もしていないのに」「この子は、何…?」そして209号室のオーナー・羽美にも魔の手が迫り…。これは呪いか、人災か?209号室の謎とは…。大人気女性作家が描く嫌ミス系ホラー。

著者等紹介

櫛木理宇[クシキリウ]
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風眠

220
そうとは意識していなくても、人は心のどこかに寂しさを抱えていると思う。寂しさは時に、不満という形で現れたり、怒りという形で現れたりする。そういう心の奥底にある寂しさを意識した時、人には隙間ができてしまうのだと思う。ほんの少し何かが噛み合わなくなって、気付いた時にはもう、いつもの日々には戻れない。そうなったのは「葵」という子どもの呪いか、それとも周りの人間による人災なのか。大人になりきれない夫や姑の隙間に入り込んだ魔、訳もわからず振り回され崩壊してゆく妻。幽霊とか怨念とか関係なく、ありそうな理不尽だと思う。2018/03/07

いつでも母さん

218
櫛木理宇だから心して読み始めた。連作短編5話。どの話も葵という少年にイヤ~な感じで振り回される。何故?どう考えたって、住人達どこかで話をすり合わせてよ!と思ったのは私だけではないだろう。怖いよ、怖い。こういうには気を付けて読まなければページを捲る度に自分の心の闇に忍び込んで来そうだから厄介だ。やっぱり櫛木理宇、今後も要注意だ!2017/01/13

🐾Yoko Omoto🐾

180
口煩い母親として子供と夫から理不尽に疎外される主婦、お嬢様育ちの義母の尋常でない振る舞いに頭を悩ませる嫁、亡き前妻の影と継息子の態度に怯え悩む新妻、身勝手で馬鹿な妹と妹贔屓の母親から常に理不尽な仕打ちを受ける姉。そしてタワーマンションに住む彼女らの前に現れ、知らぬ間に家族に入り込む、209号室の住人だという謎の少年。不穏な空気を散りばめながら、眉をしかめるイヤミスが、肝を冷やすホラーへ豹変する展開は非常に秀逸で、人の心理状態と密接に関係するのであろう怪異の真相に、より恐怖感を煽られる作品だ。面白かった。2017/02/27

utinopoti27

148
生い立ちも境遇も違う5人の女性たち。数少ない共通点は、同じマンションに住んでいることと、家族に少しだけ疎外感を感じていること。そんな彼女たちの前に、葵と名乗る男の子が現れた時から、平穏な日常が少しずつ揺さぶられ、崩され、破滅という名の蟻地獄に引きずり込まれていきます。この少年は一体何者なのでしょうか・・。ブラックで重苦しい空気が充満する世界観、読者をイラつかせる巧みな心理描写、救いのない結末、収まりの悪い読後感、本作はまさにイヤミスの王道を行く作品ではないかと思います。予定調和が物足りない方にオススメ♪2018/02/20

machi☺︎︎゛

142
サンクレールというマンションで起こる不幸な事故や不可解な出来事。葵という男の子が軸になって4連作続く。最終章でネタバラシ的な解決が待っていたけど、何とも言えないモヤモヤ感。最後羽美はハッピーエンドで終わったけど、周りの人たちは置いていかれた感があって最後の最後まで怖かった。心が滅入ってるときにはキツイ本だった。2020/04/16

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