虹の巣

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虹の巣

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  • サイズ B6判/ページ数 367p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041039052
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

秘密を抱えてひたむきに生きる女たちに訪れた運命のいたずら……。

美貌の実力派女優・鈴子(すずこ)は人気絶頂のなか、年上のちょっと冴えない舞台出身の脇役俳優・由崎克彦(ゆざきかつひこ)と結婚。奔放で飾らない鈴子の人柄で明るい家庭を渋谷区松涛に構えていた。克彦の仕事場である世田谷区の撮影所で鈴子は、弁当を届けにきていた女子高生・佳恵(よしえ)に出逢い、鈴子に憧れていた彼女を自宅のお手伝いさんとして採用する。鈴子の寵愛を受けていた佳恵だが、鈴子が娘を出産したことで様子が一変する。赤ちゃんの世話役として、いけすかない別の若い女性が家に入ってきたのだ。そして悲劇が起こる。赤ちゃんが殺された状態で自宅から発見されたのだ――。スキャンダラスに報じられた事件の7年後、由崎家には4つになる娘の日阿子(ひゃこ)と、新しいお手伝いさんの暁子(あきこ)がいた。元気はつらつで食欲旺盛な日阿子はテレビドラマの子役に抜擢され、その笑顔が日本中を夢中にさせる存在に。この家の平和を心から願う控えめなお手伝いさんの暁子だが、彼女には胸に隠したある「秘密」があった――。幸せそうに見える家族。けれど実際は、それぞれが人に言えない暗い過去や闇を抱えながら生きている。夫婦とは、親子とは、血のつながりとは……という深いテーマに挑んだ、家族の魂の再生の物語。 推薦文:萩尾望都(漫画家)

【著者紹介】
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内容説明

美貌の実力派女優・鈴子は人気絶頂のなか、年上のちょっと冴えない脇役俳優・由崎克彦と結婚。撮影所に弁当を届けにきていた女子高生・佳恵を自宅の家政婦として招き入れた。やがて赤ん坊が生まれたが、幸せな日は長くは続かなかった。自宅で赤ん坊が亡くなった状態で発見されたのだ―。スキャンダラスに報じられた事件から数年後、由崎家には四つになる娘の日阿子と、新しい家政府の暁子がいた。しかし、暁子にはある「秘密」があった―。母と子の深い愛というテーマに挑んだ感動のミステリー。

著者等紹介

野中ともそ[ノナカトモソ]
作家、イラストレーター。ニューヨーク在住。1998年「パンの鳴る海、緋の舞う空」で小説すばる新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リッツ

22
うっすらと聞いた気がする古い事件、ああアレねと分かるドラマ、そしてわりと新しい報道、とモデルとなる事柄を繋ぎあわせ、そこに色んな要素や感情が織り込まれ一気読みさせられた。ただ分かるんだけどどうしても二人の個性が被ってしまい、平坦な印象が。そして何故?と思う行動。もう少しちゃんと弁明出来たのでは?と、聞いてくれる大人はいなかったのか?とモヤモヤした。こちらもそれだけ物語に取り込まれたということか?最後も独白であっさりまとまって、もう少し見せて欲しかったと思った。2016/06/17

keith

21
母であることの愛情と罪。何ともモヤモヤした話で、読み終わったあともスッキリしませんでした。2017/07/04

yossy

14
元女優由崎鈴子と舞台出身俳優の克彦夫婦の元で家政婦として働く二人の女性目線を中心に話は進む(時々清志も)。時間も目線も交互に話が入れ替わるので読みはじめは多少戸惑ったが、話が進むにつれ謎だった点が繋がって引き込まれました。なるほど、角田光代さん『坂の途中の家』や辻村深月さん『朝が来る』が好きならこの作品にも引き込まれるかも。ただ、ラストが曖昧で好きじゃない。読者の想像に委ねられる、と言えばそうなのかもしれないけど、中途半端で不完全燃焼に感じました。2016/05/16

ちゃこてい

12
初読み作家さん。表紙の可愛さに選んだ本だが内容がほのぼの系では無かった。なかなか読み終わらなかったのは、登場人物の心理描写や、丁寧な文章に目が止まった為なのかな?有名女優の家にお手伝いとして雇われた2人の女性の生き様に、暗く息苦しい余韻が残るが、女優の娘ヒャコちゃんの明るさに救われた終わり方だった。2016/06/13

傘介

12
野中さん初のミステリー要素を加味した作品ということで、期待と共に読み始めたがこれが面白い! 先を知りたくて急ぐ思いと、丁寧に描かれる日常や人とのやりとりをじっくり楽しみたいという思いがせめぎあいつつ、結局一気に読み終えた。そしてあえてすべては描きこまないラストに逆に想いや祈りが注ぎ込まれているようで、落涙…。声や姿が浮かんでくる最後の場面がすべてを物語っているようで。 通常ならミステリー物は読み返さないのだが、次は登場人物のこまやかな心理描写をあじわうために、もう一度ゆっくり読みたいと思わせてくれた本だ。2016/05/16

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