出版社内容情報
アイヌ出身のエリート言語学者の凄絶な人生!
ユーカラの伝承者である伯母、金成マツ、『アイヌ神謡集』を書き残した姉、知里幸恵を輩出した名族に育ち、エリートの道を歩んだ本書の主人公は、アイヌの言霊(ことだま)に導かれてアイヌ語学の体系化に一生を捧げた言語学者の苦悩の生涯を、あとうかぎりの関係者に取材し、綿密な考証のもとに描いた迫真の伝記。アイヌ語学研究のバッククボーン。
プロローグ
一 アカシアの花 アカシアの花 清列な痛みを残して「最後のエゾの乱」「アイヌに豊富なものは」 洋風・和風・アイヌ風 効果的だったバチラーの努力 十二歳の少女の心 二 姉と弟と猫のいる風景
「近文の一夜」『アイヌ神謡集』 なつかしい登別 背の小さい孤独な少年 猫のいる風景
三 忘れ得ぬ人びと
忘れ得ぬ人びと「丙」事件 処女作 思いがけない稿料 旧師群像
四 青葉若葉のころ
木牡丹の花 学者に適した頭脇
五 ああ玉杯に
一高進学「この人をみよ」エリートに「包囲」されたエリート「神コソ呪ハレルベキ」
六 「僕は北海道へ帰る」
東京の異邦人 友情の条件「アイス・クリーム」「日記」 焼けなかった「日記」 陳情団とともに
七 内側からのアイヌ語の道
英文学から言語学へ 「ウエンベ・ブリを駁す」 一つの野心 金田一批判 孤独な道
八 ツゲの本
人神の交り バチラーのこと
九 盗まれた卒業論文
悲しき猥談 酒・女・将棋 『北海道幌別漁村生活誌』 渋沢敬三と パナンペと ペナンペの物語 盗まれた卒業論文 縁談・結婚 一つの岐路 』 名著の怒りと悲しみ 心の秘境 休息のほしい季節
十七 海はみえない
死の近さを計りながら 心積り 『えぞおばけ列伝』 ご用聞きの少年 「さいな ら」 海のみえる丘
あとがき
知里真志保年譜-その業績を中心に
内容説明
アイヌ出身のエリート言語学者の凄絶な人生。ユーカラ伝承者である伯母、金成マツ、『アイヌ神謡集』を書き残した姉、知里幸恵を輩出した名族に育ち、エリートの道を歩んだ本書の主人公は、“アイヌの言霊(ことだま)”に導かれてアイヌ語学の体系化に一生を捧げた。強者の歴史に抗ったアイヌの言語学者の若悩の生涯を、あとうかぎりの関係者に取材、綿密な考証のもとに描いた迫神の伝記。
目次
1 アカシアの花
2 姉と弟と猫のいる風景
3 忘れ得ぬ人びと
4 青葉若葉のころ
5 ああ玉杯に
6 「僕は北海道へ帰る」
7 内側からのアイヌ語の道
8 ツゲの木
9 盗まれた卒業論文
10 オホーツクの海
11 アイヌ語の面白さ
12 背の低い人たち
13 サレコーベの思い出
14 新しい友情
15 友情の破綻
16 心の秘境
17 海はみえない
知里真志保年譜―その業績を中心に
感想・レビュー
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柳田
せっぱ
はにゅ