かんかん橋の向こう側

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  • サイズ B6判/ページ数 462p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041038970
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

温泉町の小さな食堂『ののや』を舞台に、少女の成長を描く傑作長編!

夫が急逝し残された食堂『ののや』を守る決意の奈央と、彼女を理解しようと努めながらもぎこちない母娘関係しか築けない18歳の真子。そんな母娘を温かく見守る常連客で、今夜も店は賑やかだった。そこへ、真子が痴漢と間違えたよそ者の青年、東山が店に現れる。『ののや』をモデルにした小説をネットで読んで、店のファンになったという東山だが、何か秘密を抱えているようだった。常連客の一人、野々村は妻の遺品を整理をしていて偶然、鍵のかかった箱を見つける。何とか開錠したその箱には、若かった頃の妻の秘密が隠されていた……。奈央を支えなければ…、でもこの町を出て自由に生きてみたい! 大学進学を来春に控え、心迷う真子はその気持ちを奈央に伝えきれずにいた。「人は帰る場所があるから、旅立つことができる」――小さな食堂を舞台に、人々の温かな絆とそこで成長した少女の旅立ちを描いた傑作長編!

第一章 十七歳の日付
第二章 青い風に乗って
第三章 闇と日溜まり
第四章 風が吹いて、陽が差して
あとがき

内容説明

「さよなら、あたしの奈央さん」今日も常連客でにぎわう食堂『ののや』に見知らぬ青年が現れる。店の人々がモデルになった小説をネットで読み、訪ねてきたというが…!?小さな食堂を舞台に、人々の絆と少女の成長と旅立ちを温かく描いた、傑作長編!

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
岡山県生まれ。大学在学中より児童文学を書き始める。『ほたる館物語』で作家デビュー。『バッテリー』およびその続編で野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

123
前作は未読で続編だとは知らずに読んだのだが、十分楽しめた。ほのぼのストーリーなのだが、大切な『なにか』を気づかせてくれる作品だった。その『なにか』はこちら側の受け止め様で、なさぬ仲の母と子の関係だったり、友情だったり、思春期の恋や自分の将来についてや、還る場所についてなのだが柔らかく琴線に触れ心が和む。時と共に忘れ去られていく場所、だがいつまでも思い出は一杯でこの物語のアクセントになっている『かんかん橋』が良い。進学で最後に橋を渡る真子、還ってきてからの『ののや』を取り巻く様子も知りたくなる物語だった。2016/04/17

みかん🍊

88
シリーズ2作目とは知らずに読んだけど全然問題なかった、地方の温泉町にある食堂「ののや」を舞台に高校生の真子や常連の人々の目線で語られる日々やエピソード、都会で刺激的で波瀾万丈の人生を生きるより田舎で一見退屈に見えるかもしれないけど、仕事があって飯が食べられて、仲間がいる、そんな暮らしが出来る事は贅沢で幸せだ、若い真子は高校を出たら街の大学へ行く、そのあと都会で暮らすのかまた、帰ってくるのかは分からないけどそれは自分で決める事、帰れる場所、飛び立つ自由があるのもまた幸せな事だ。2016/06/15

ゆみねこ

81
すごく良かったです!前作では小学6年だった真子が高校生になり、父亡き後の「ののや」に常連さんが集う。奈央さんが素敵、会話がテンポ良く一気に読了。かんかん橋の向こう側にどんな未来が待っているのかな。2016/06/13

パフちゃん@かのん変更

81
17歳になった真子、ののやの女将が板についてきた奈央さん。思春期の真子の恋や奈央さんとの葛藤、将来の進路など。ののやの常連野々村さんの話や和久のこと、和久のブログ小説やそれに魅かれて津雲に来た東山。真子と友哉の恋の行方が気になりながらも真子はかんかん橋を渡って故郷を出ていく。さて、向こう側にはどんな世界があるのか、真子は帰ってくるのか気になるところです。「仕事があって、ご飯が食べれて、家族や仲間がおって、たまに『ののや』でおいしい料理とビールなんか楽しんで、みんなとわいわい騒いで」それで十分いい生活だ。2016/05/22

ぶんこ

78
前作で小学生だった真子が高校生になって、大好きだった菊お婆さんは亡くなられたようです。大往生だったようでホッとしつつも寂しい。「ののや」の日常がブログ上で物語として発表されていた事から、和久の元に東山という謎の青年が居候。和久の都会での日々が明かされたり、野々村さんの愛妻秘話があったりと、常連客にも色々心乱れる日常がありましたが、美味しい物を食べながら、ほんの少しの気配りを残しつつも、言いたい事が言い合えて、笑える場所がある幸せを、読んでいる私も感じられました。真子は隣県の大学看護科へ進む道を選びました。2016/06/19

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