出版社内容情報
幼き命を救うため、留守居役奔走する! 大好評書き下ろし時代小説
横須賀藩藩主の行列の前に、飛び出した幼い丁稚。無礼討ちにされてもおかしくない状況のなか、留守居役の高田兵衛が救いの手を差し伸べる。だが、その先には思わぬ障害が……。剣と心で難事を解きほぐす痛快時代小説
内容説明
横須賀藩藩主・西尾直矩の行列の前に、風呂敷包みを抱えた子供が飛び出した。町人が大名行列の供先を横切るなど許されぬ行為。徒士が刀を抜いたその時、声を発して止めた者がいた。横須賀藩留守居役の高田兵衛だった。供先切をしてしまった豊前屋の音松は、納品先へ包みを届ける中、躓いて行列の前に飛び出してしまったのだった。音松の命を救うため、兵衛は奔走するが…(「供先切」より)。知恵と剣で人を救う好評時代小説。
著者等紹介
吉田雄亮[ヨシダユウスケ]
1946年佐賀県生まれ。雑誌編集者を経てフリーライターに。ノンフィクション、コミック原作、実録小説を手がけ、映画化、テレビ化作品も多数。2002年「裏火盗罪科帖」シリーズで時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
126
留守居役日々暦「松風の香」4巻。さすが兵衛さん、藩に関わる様々な厄介事今回も、剣術、杖術、柔術の皆伝を見せずして無事に収めましたね読書感が心地よいです。2016/03/27
はつばあば
45
4巻とも楽しませていただきました。現代の子供の飛び出し禁止標識はここからきているのかもしれませんね。10才の子に打ち首なんて誰がしたいものですか!ねぇ。いつの時代も結婚詐欺に騙される女性が多いけど・・裏に控える悪(ワル)が一番たちが悪い。そう、3話目の蔭富で私腹を肥やす医者、こいつだけは許せねぇ!って兵衛さんの剣捌きを見せてもらえるかと思ったら小石を二度ほど投げて・・。それで良かった。3巻でたくさんのワルを切ったものね。どうやらこの巻のこれからの続きはないようです。 めしや「一膳」の佐吉夫婦もよかった2024/10/14
ごへいもち
13
こんなふうに生きられたら幸せかも。続きは無いのね😞2024/12/30
onasu
13
今回はつぶてを投げるだけとは、留守居役、なかなか鹿島神流の剣の業を見せてくれないな、というシリーズ4作目。 藩主の行列の前に飛び出してしまった商家の丁稚を助けるために奔走する初編を始め、三編の短編はどれもその後の成り行きに突飛さはないが、どうけりをつけるのか、その先が読みたくて、あっという間に進んでしまう。 藩主の奏者番就任を前に挨拶周りに勤しむ傍ら、またして藩士、養家の絡んだいざこざに対処することとなる。些かスーパー人格過ぎるきらいはあるが、娯楽ものとしては、この安心して乗って行ける感が心地好い。2016/01/27
あかんべ
7
私の時代小説シリーズ物の中で、好きなキャラのベストスリーに入っているのが、兵衛。こんな上司に仕えたい。離れて暮すお美津へのさりげない愛情もいい。2016/02/11