ギリギリ

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041034620
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

母、妻、息子。それぞれが微妙な役割を演じてきた――けれど。

脚本家の卵である健児は、同窓会で夫と死別したばかりの瞳と再会し、彼女のマンションに居候する形で再婚。前夫の不倫相手や母親など、大切なひとを失った彼らの絶妙なバランスのうえに成り立っていた関係の行方は?

内容説明

女性管理職として仕事に没頭する瞳。前夫の一郎太が過労死した寂しさをまぎらわすかのように、同窓会で再会した脚本家の卵の健児と再婚した。瞳と健児のもとには、一郎太の母親や不倫相手から細々と連絡があり、相談に乗ったり、一郎太の不在を嘆いたりしている。ある日、瞳はゴミ箱のなかから健児が書いた脚本の草稿を見つけ、自分が選んだ道に疑問を感じるようになるが…。

著者等紹介

原田ひ香[ハラダヒカ]
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」で創作ラジオドラマ脚本懸賞公募(現・創作ラジオドラマ大賞)の最優秀作受賞。07年「はじまらないティータイム」ですばる文学賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

251
タイトルの意味が読了後にズッシリとココロに響いてくる素晴らしい作品でした。決して底抜けに明るいお話ではありませんが、どこか全体を通して、なんとも言えない陰めいた作風が原田ひ香さんの醍醐味だと思うので、ある意味期待どおりの雰囲気です。再婚した管理職の「瞳」と相手の脚本家「健児」の微妙な間柄が見事な描写です。「瞳」の義母「静江」さんが何より魅力的なキャラで、終盤に悩める「瞳」を励ますある決めセリフがサイコーにかっこよく、感動すらします。誰もが見てみぬフリをして、やり過ごそうとするリアルな描写に感服しました。2016/02/13

風眠

171
駆け出しの脚本家・健児、前夫を亡くし仕事に没頭する瞳、前夫の母・静江。ちょっと風変わりな家族。同窓会で再会したことがきっかけで夫婦になった健児と瞳だったが、瞳の前夫の母・静江との関係は途切れないまま続いている。自分の心情を積極的には語らない登場人物達。劇的な何かがあるわけでもなく、それぞれが淡々としている。物語が進むごとに状況は唐突に変わっていく。だからと言って、登場人物達が何も感じていないとは限らない。それぞれの心にあるモヤモヤを語らせないことで、人の心の弱さについて、多角的に考えさせられる物語だった。2015/11/12

いつでも母さん

127
お初の作家さん。軽く読めて一気に読了。内容は・・実はちょっと深かったりするのだが、そうは思わせない拘り方が巧いと思った。微妙な関係の相関図なのだが、なんだか『良い』(まあ、実際にはあり得ないだろうが・・)健児君、私は好きだな!瞳さんは自分が許せなかったんだね。でも、自分たち目線の『友達』でいられるって、凄いことだと思うよ。誰にも迷惑をかけてるわけじゃないし、最初はちょっとだけウザかった静江さんも大丈夫そうだし(笑)やっぱり女はシッカリ自分の路を行くんだな!ガンバレ健児君。そしてラストでタイトルに納得!2015/10/27

モルク

118
売れない脚本家の健児は夫を亡くしたばかりの瞳と結婚する。この二人と亡夫の母静江を中心とした5編の連作短編集。夫と静江の関係がほほえましい。義母ではないし、不思議な関係だが気を使いながらも助けになろうとする。夫の仕事が認められ出した時、捨ててあったシナリオの原稿を妻が見たときから二人の間が微妙に変わる。夫は妻が大好きなんだからなぜ追いかけなかったのか不思議。優しいのだが自信がないのか消極的。妻もまっすぐ過ぎる。もっと楽に生きれば、今後またふたりの関係ががいい方向に向かうのに…。2018/11/16

takaC

117
いや、上手い!(アナログ/モヒート/スカイプ/シナリオ/ギリギリ)2016/02/21

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