出版社内容情報
大阪の新聞社に勤める新人記者・前田淳子が失踪。依頼を受け、神戸に飛んだ浅見光彦は、淳子と最後に会った女子大の後輩・崎上由香里と捜索を始める。明石原人を取材中だった淳子を付け狙う謎の男の正体は
内容説明
浅見光彦のもとに、全国紙J新聞の大阪支社から文化部の富永という男が訪れた。部下の女性記者・前田淳子が、明石の自宅を出たまま失踪したというのだ。浅見は、淳子の後輩で、源氏物語を学ぶ女子大生・崎上由香里とともに淳子の行方を捜す。淳子は明石原人の取材話の際に、怪しい2人連れの男を気にしていたというのだが…。若き記者の未来を無情にも奪った事件。憤りを隠せない心優しき名探偵が辿り着いた意外な真実とは。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。08年3月、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち
11
依然としてテレビで人気の「浅見光彦シリーズ」、神戸出身者として馴染みのある地名を読んでみました。懐かしい地名、そしてなるほど警察も及ばない名探偵「浅見光彦」、天晴れでした。2018/11/16
ラッキー
8
犠牲者が多く、動機も同情の余地なしだったので悲しい読後感だったが、短くまとまっていて楽しめた。地方の描写がやはり素晴らしい。2016/10/28
まり
7
図書館本。今回は、スッキリ解決で良かった。事件自体は突発的でしかも自分のことしか考えていないもので犯人に同情の余地はなかった。須磨明石が神戸とはまた違う趣きで何か落ち着いた。2023/11/10
こばやし
7
須磨明石の土地を存分に活かしたストーリー展開に多彩な登場人物。特にロープウェイの係員のおばあさんがいい。作者の人を観察する視点が多様でそれぞれの人物が実在しそう。犯行シーンを淡々と済まして、ヒロインとお別れをして、ちゃんちゃんっていうおきまりのエンディングの感じも気持ちいい。まだ内田康夫3作目だから先は長いな。2019/07/27
コウ
7
旅のお供本にちょうど良いと思って手に取ったのに、旅する前に読んでしまった…舞台に心が疼いてしまって。最初のページにある須磨明石周辺の路線図を見ただけで胸が踊る。浅見光彦シリーズは情景も大切にしているなぁ、と思える作品。それにしても光彦さんは節々に「坊っちゃん」が垣間見えて隠せない感じ。事件のキーワードのひとつ【明石原人】に関して全く知識が無かったので、苦労して読まなきゃいけないかな?と思っていたら、あれよあれよ…という間に、事件は思わぬ方向へ。勘が冴えわたる光彦さん恐るべし。2017/09/25