東京クルージング

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  • サイズ B6判/ページ数 445p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041032657
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

愛した君は何処へ──。伊集院静の出逢いと別れが凝縮した、奇跡の物語。あのニューヨークの秋を私は忘れない。ドキュメンタリー番組で出会った三阪剛という青年に、作家の私は強く惹きつけられた。彼の依頼してきた仕事は、松井秀喜のアメリカでの活躍を私の視点で追う番組だった。二人で作り上げた番組は成功し、全ては順調だった。だが、三阪君には病魔が迫っており、さらに決して忘れることのできない女性がいたのだった。彼が一生を誓い合ったその女性は、突然、彼の許を去ったというのだ。何も言わずに、何も残さずに……。彼の死後、手紙を受け取った私は、三阪君の過去を辿り、彼女の行方を探しはじめる──。

伊集院 静[イジュウイン シズカ]
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。81年短編小説『皐月』でデビュー。91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

内容説明

あのニューヨークの秋を私は忘れない。ドキュメンタリー番組で出逢った三阪剛という青年に、作家の私は強く惹きつけられた。彼の依頼してきた仕事は、松井秀喜のアメリカでの活躍を私の視点で追う番組だった。二人で作り上げた番組は成功し、全ては順調だった。だが、三阪君には病魔が迫っており、さらに決して忘れることのできない女性がいたのだった。彼が一生を誓い合ったその女性は、突然、彼の許を去ったというのだ。何も言わずに、何も残さずに…。彼の死後、手紙を受け取った私は、三阪君の過去を辿り、彼女の行方を探しはじめる―。伊集院静の出逢いと別れが凝縮した、奇跡の物語。

著者等紹介

伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。CMディレクターなどを経て、81年短編小説「皐月」でデビュー。91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。16年紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

115
伊集院静は、新作中心に読んでいる作家です。先入観なしで読み始めたので、松井秀喜をフューチャリングした私小説かなと思いましたが、第2部で怒涛の展開が待っていました。天使ミカエ(ル)と松井秀喜の奇跡の物語です。やっぱり松井秀喜は、偉大な野球選手だったことを改めて認識させる1作でした。東京湾のクルージングは出て来るものの、本書の内容とタイトルに、かなり違和感があるような気がします。2017/02/27

Lara

84
これまで、伊集院静氏のエッセー集は何冊か読んでいましたが、小説は初めてでした。最初に、ニューヨーク▪ヤンキースの松井秀喜選手が登場し、これは実話に基づいている話しかな、と思ってしまいました。さすがに、筆の立つ人だけあって、筋建ても、読者の心を惹き付け、読ませてくれますね。構成もユニークでした。ちょっと出来過ぎ(作り過ぎ)な面が目立ちましたが、小説として面白かったです、楽しませていただきました。2021/08/26

テクパパザンビア

46
面白かった。これぞ伊集院静っていう作品。松井秀喜、色川先生、夏目雅子、篠ひろ子、海難事故死の弟、故郷の母などなど総出演。野球を題材にした話はやっぱり大好きです。いつ読んでもカッコいいです。2017/07/24

なっく

24
結局この方は夏目雅子を喪ったことから抜け出せていないのではないだろうか。本を書き、作詞もし、女にはモて、ゴルフもお酒も楽しむ、そんな万能な伊集院さんにはとてもかなわないのだけれど、そんな一面を見たような気がして、親しみを感じたりもする。愛する人を喪うことに打ちのめされてなお生きていく勇気を、神はくれるのだろうか。別れることの悲しさよりも、出会ったことの幸せを噛みしめるのは難しい、別れは常に出会いの後に来るのだから。2017/09/17

aloha0307

20
伊集院さんが実際携わった、NYヤンキース松井さんのNHKスペシャルの逸話を映して野球小説と思いきや、その番組担当ディレクター:三阪の壮絶な過去へ物語は急転回する。第二部では、三阪の彼女:ヤスコの半生を描く(やるせなさに涙がでそうになる)。とても素敵な二人なのに運命は過酷すぎるよ..運命の前で人間はここまで無力なのか。”人が人を好きになることはこんなにも嬉しいこと” そして、出会うことの奇跡を詠う場面はとても良かった(^-^) 本書をよむとカザルス”鳥の詩”、そのチェロの豊饒な音色が無性に聴きたくなります。2017/05/20

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