出版社内容情報
寛文6年。藤堂家の使用人・松尾宗房は奇妙な老人に絡まれ、蔓草に襲われる。怪異から宗房を助けたのは眼光鋭い美青年・河合惣五郎。俳諧を通じ意気投合した二人は、藤堂家に続く不幸の原因解明に乗り出す。
内容説明
寛文6年。松尾宗房は身分を越えて俳諧の同志だった主君・藤堂良忠を亡くし失意に暮れていた。ある夜、宗房は芭蕉翁という奇妙な老人に会うが、それを境に藤堂家で不吉な出来事が起き始める。良忠の妻の名代で樒塚に赴いた宗房は謎の蔓草に襲われ、眼光鋭い美青年・河合惣五郎に助けられる。だが惣五郎は一連の事件は宗房が原因だと言ってきて!?後の松尾芭蕉と旅の仲間が藤堂家の秘密を解く。今までにない怪異ミステリ!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。瀬川ことび名義で第6回日本ホラー小説大賞短編賞で佳作を受賞。『妖怪新紀行』などの著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たち
34
もう一つの松尾芭蕉の物語のようで、面白かったです。化け芭蕉が最後に呟く「…来し方に手を加え、いまを改変させようと図っても無意味であると。道すじが多少異なろうとも、縁ある者たちは結局引き合うものだし、おのが人生を形作るのは詰まる所、おのれ自身でしかないのだと…」ホントにその通りです。2016/11/21
しゅてふぁん
31
タイトルに『化け』や『怪』とあったので、てっきり戦うとか祓う話かと思ってたら、全然違った。そうだ、芭蕉は俳人で、祓う人ではなかった…。思ってたストーリーとは違ったけど、これはこれでおもしろかった。『万菊丸のいびきの図』が後世に伝わっているとのことで、早速検索してみたら、確かに『震えるナメクジにも似た』絵だった(笑)2016/06/25
ネムコ
26
芭蕉といっても水芭蕉ではなく(当たり前だ)松尾芭蕉のお話。本当に芭蕉に関係ある人しか出てこない、ある意味「私小説」のようなお話でした。鬼舞とかばけもの好む中将とか、軽い歴史ものシリーズをよく読んでいた瀬川さんの新しい一面を発見した思いです。2015/08/12
み
22
う〜ん、ばけもの好むの作家さん?楽しめず残念なり。2015/10/09
ダージリン
22
時をかける芭蕉!? ちょっと違う(笑)。芭蕉翁の介在で、若き日の芭蕉が本来まだ会うはずでない門人たちと出会えたことにロマンを感じました!怪異とミステリーもからんで面白かったです。2015/05/28