娼婦たちから見た戦場―イラク、ネパール、タイ、中国、韓国

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娼婦たちから見た戦場―イラク、ネパール、タイ、中国、韓国

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  • サイズ B6判/ページ数 364p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041032251
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

世界の姿は、最古の職業・ 娼婦たちが知っている。現場ルポの決定版!!世界の姿は、最古の職業・ 娼婦たちが知っている。

<本書に登場する娼婦たち>

●イラク戦争下で生きるパンパンガール
●イラク宮廷にいたロマ・ガジャル
●デウキ。寺に捧げられ娼婦となったネパールの女たち
●インドの売春窟に売られる少女
●ヒジュラ。第3の性の娼婦(夫)たち
●売春カースト・バディ村の少女
●タイ、クーデター下で働く農村出身の娼婦たち
●中国の戸籍なき女、黒孩子 
●洋公主、韓国の米兵相手の娼婦

 戦争、圧政、貧困。その現場には常に娼婦たちがいた。
 国が体裁を整えるとき、はじめに手をつけられるのは、常民ではない人々であることは世の常である。常に緊張を強いられる、極限状況で暮らす娼婦たちの眼から、世界はどのように見えているのか。
 国家、軍隊、階級、習俗、貧困。人を縛るものが溢れる世で生き続ける女たち。
 米軍あるところ、常に娼婦あり。
 戦場の片隅に暮らしていた女たちが、戦場とは遠い異国にあるのではなく、常に暮らしている社会の中にあるものだと、私たちに気づかせてくれる。
日本も70年前は戦争状態にあった。そして、戦場は形を変えて日本にも既に入り込んでいるのだ。

 15年以上に及ぶ紛争地取材が生んだ、現場ルポの決定版!!

まえがき――戦争、圧政、貧困。そこにも娼婦たちはいた
→米軍によって変貌した売春の形。基地、戦争、圧政、貧困。極限状況にある社会において、共通していたもの。それは、世界最古の職業とされる娼婦たちの存在だった。彼女たちから、世界を見る。

第一景 娼婦は戦地を生きる――イラク
→イラク戦争でバグダッドが陥落し、そしてテロが渦巻いたイラク。米軍相手の娼婦から、フセイン政権下では宮廷にいたロマ・ガジャルに、身体を売る将来が待つ貧困地区の少女たちまで。

第二景 娼婦は内戦を泳ぐ――ネパール
→マオイストを取材し続けた著者だから見えた、農村の光景。クマリという処女神信仰がある一方、寺に捧げられ、共同体の娼婦となる少女もいるネパール。そして、売春カースト・バディも存在する国。第三の性のヒジュラも含め、内戦と習俗の風圧のもとでもたくしまく生きる娼婦たちを追った。

第三景 娼婦は死を賭す――タイ
→タクシン政権の復帰を望んだ大規模デモ。参加者の大多数は、貧しいイサーン地方の農民だった。エイズにかかりながらも、故郷のために身体を売り続ける娼婦たち。デモの裏には、切実な現実が常にある。

第四景 娼婦は王朝に反乱する――中国
→売血によってエイズ村となった農村。未だ、纏足の老女が住まう農村。そして、都市で身体を売る戸籍なき少女・黒孩子。共産党王朝のもとで、従属的な扱いを受け続ける女たち。しかし、王朝に反乱するのも、娼婦たちなのだ。

第五景 娼婦は米軍基地に寄り添う――韓国
→日本と韓国の売春は、アメリカとは切ってもきれない。米軍基地あるところ、娼婦あり。韓国では、洋公主と呼ばれる、米軍兵士と結婚した女たち。基地と売春を追う。

あとがき――戦場は異国ではなく、足下にある
→マイナンバー制度によって、より地下化する売春。かつて見たアメリカに住む日本人娼婦も、地下化した売春であった。社会制度、そして色街も消えてアメリカ化していく中、戦場も異国から足下に移ったのではないか。

主要参考文献

八木澤 高明[ヤギサワ タカアキ]
1972年神奈川県横浜市生まれ。写真週刊誌フライデー専属カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。01年から12年まで取材した「マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅」が第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。本書の姉妹編『娼婦たちから見た日本 黄金町、渡鹿野島、沖縄、秋葉原、タイ、チリ』(角川文庫)は、10年以上にわたり、日本各地の夜の街と女たちを取材してきた著者が、現時点の集大成としてまとめあげた一作である。他書に『黄金町マリア』、『青線』がある。

内容説明

国が体裁を整えるとき、初めに手をつけられるのが、常民ではない人々であることは世の常である。常に緊張を強いられる、極限状況で暮らす娼婦たちの眼から、世界はどのように見えているのか。国家、軍隊、階級、習俗、貧困。人を縛るものが溢れる世で生き抜く女たち。イラク戦争下で生きる娼婦、韓国米軍基地村の娼婦・洋公主、売春カースト村の少女たちに、中国の戸籍なき女・黒孩子。戦場とは遠い異国にあるのではなく、常に暮らしている社会の中にあるものだ。日本にも、戦場は形を変えて既に入り込んでいる。15年以上に及ぶ紛争地取材が生んだ、現場ルポの決定版!!

目次

まえがき 戦争、圧政、貧困。そこにも娼婦たちはいた
第1景 娼婦は戦地を生きる―イラク
第2景 娼婦は内戦を泳ぐ―ネパール
第3景 娼婦は死を賭す―タイ
第4景 娼婦は王朝に反乱する―中国
第5景 娼婦は米軍基地に寄り添う―韓国
あとがき 戦場は異国ではなく、足下にある

著者等紹介

八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県横浜市生まれ。写真週刊誌フライデー専属カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。01年から12年まで取材した『マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅』が第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

42
うーん、今一。2016/08/28

たまきら

22
とりあえずいろいろな紛争地帯へ行って買春して女の子達からお話聞いちゃいました~。そういうノリな本です。欲に翻弄される、需要と供給のシステム。それが純真な目をした子供であると怒りしか覚えません。性交という非常に親密な行為を売り買いするシステムは永遠になくならない。でもやっぱり、うんざりする。買うなよ性交。売血や纏足といった内容も悪くはないが文の迫力はない。やっぱこの人は写真なのね。2017/06/26

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

5
正直ちょっと冗漫。タイトルから、戦場にいる娼婦たちばかりを取り上げているのかと思ってしまった。女が体を売るのは古来から貧しさゆえ。女を貧しくさせる最たるものが戦争ということか。どの戦争も既知のことが多かったけど、ネパールのデウキのくだり、マリアが処女でないといけなかった理由を思うと何も信じられなくなる。2017/02/17

NoControl

3
著者しか詳細な情報を持ってなさそうな貴重な話(イラク、ネパール関連)と、現地で仕入れた情報も含むものの比較的どこかで聞いたことのある感じの話(中国、韓国関連)で玉石混淆な印象。タイトルに戦場といれるのは確かにそうだが、なんか違う気もする。聞いたことのない話は興味深く読めた。2019/01/26

侍の笛1吋

1
イラク ネパール タイ 中国 韓国の戦場における娼婦に関するレポート。  イラク以外が戦場に該当する? ネパール、タイは内線 中国は歴史を追い纏足の女性を捜し、韓国は慰安から朝鮮戦争後のアメリカ基地周辺の娼婦についてのレポート どの国も貧困からの脱出や非人等の差別が根底にある。2020/07/24

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