出版社内容情報
左腕を狙撃された衝撃で、記憶を失ってしまった吉良義久。自分の記憶を取り戻すために、以前自分が書きかけていた小説の舞台の三河に旅立つ。十津川警部も狙撃犯の手がかりを求め亀井とともに現地へ向かう。
内容説明
四谷のお岩稲荷の近くで銃声が響いた。左腕を撃たれた男は、運転免許証から吉良義久だと分かったが、本人は記憶を失っていた。十津川警部たちは、男を自宅まで送ったついでに、部屋を覗いてみると、三河湾周辺の写真集や観光案内などが並んでおり、「忠臣蔵」で悪者になっている吉良家の名誉を挽回するような書きかけの小説があった。自分の記憶を取り戻すために旅立った吉良を追って、十津川も亀井とともに三河へ向かう。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年東京生まれ。65年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞受賞。81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞受賞。2004年には第8回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スミノフ
13
愛知出張前に、愛知が舞台のミステリーを読みたいなと思って手に取りました。忠臣蔵を吉良家側から捉え直し、ストーリーを起こしていくという発想は面白いですね。推理小説らしいロジックの詰めはやや物足りないので、ライトノベル感覚で読むと、程よいかもしれません。2020/09/29
かめかめ
3
久しぶりの西村京太郎サスペンス。トラベルミステリーではなかったが旅情は楽しめた。実在する湯谷温泉のH別館が登場する。先日、ここに宿泊した妻からのお土産がこの本というわけ。吉良家の末裔が「逆さ忠臣蔵」という小説を書いたことから物語が始まる。熱狂的な忠臣蔵ファンというのがいるのでしょうね。「忠臣蔵」対「アンチ忠臣蔵」の戦いの始まりです。2019/11/13
きらり
2
西村京太郎の作品はほとんど 読破しているが、マンネリ化がいなめない。句読点が多すぎて読みづらいのは相変わらず。発行するところがチェックしないのかといつも気になる。大御所すぎて、指摘できないんだろうな。妻の叔母が金持ちだからと私的にお金を使うということが他の本でもよくあるがこれってどうなのと毎回思う。それにより、十津川警部の魅力が半減しているのが残念。2016/02/09