角川文庫<br> 「東京電力」研究 排除の系譜

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角川文庫
「東京電力」研究 排除の系譜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 541p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041031490
  • NDC分類 540.921
  • Cコード C0134

出版社内容情報

名門企業、失墜の真相! 無責任国家・企業に驚愕したすべての人に捧げる。

日本を代表する企業が失墜したのはなぜか? 名経営者も輩出し、名門であったはずの東京電力。実態は異論を許さぬ強権“村社会”だった。安全神話を守るために安全を度外視していき、アメリカへの一方的従属、管理・監視の自己目的化を進める。その果てに分割・民営化の先駆となった排除の体質。東電の本質を、社会的・歴史的に徹底取材して抉り出した“現代の古典”。大幅加筆し、無責任国家・企業に驚愕したすべての人に捧げる。解説・池上彰氏

単行本刊行時、池上彰氏、奥村宏氏、白井聡氏、森永卓郎氏、武田徹氏、新藤宗幸氏ら名だたるジャーナリスト・経済学者・エコノミストらが絶賛。さらに朝日、毎日、東京はじめ各紙で書評され、出版界の有志が1年で最も良かったと思える人文・社会科学の作品に贈る第三回「いける本大賞」をも受賞した大作。
文庫版では、『長崎の鐘』で聖者のイメージがある永井隆の人物像をえぐる論考が、文庫版新章として書き下ろされている。

一つの企業から、日本が見える。

はじめに
序  章 人災と「中国ツアー」 
第一章 安全神話のパラドックス
第二章 保守論壇のタニマチ
第三章 木川田一隆「人間開発」の欺瞞
第四章 幻の電源爆破
第五章 「勲章を拒否するほど偉くない」平岩外四
第六章 驕慢なる統治機構
最終章 せめてもの希望を
あとがき

文庫版新章 永井隆"聖者”の亡霊

主要参考文献
解説--「しんどい仕事」(池上彰氏)

内容説明

日本を代表する企業の信用が失墜したのはなぜか?名経営者も輩出し、名門であったはずの東京電力。その内実は異論を許さぬ強権“村社会”だった。安全神話を守るために安全を度外視していき、アメリカへの一方的従属、管理・監視の自己目的化を進める。その果てに分割・民営化の先駆となった排除の体質を、社会的・歴史的に徹底取材して抉り出した“現代の古典”。大幅加筆し、無責任体制に驚愕したすべての人に捧げる。

目次

序章 人災と「中国ツアー」
第1章 安全神話のパラドックス
第2章 保守論壇のタニマチ
第3章 木川田一隆「人間開発」の欺瞞
第4章 幻の電源爆破
第5章 「勲章を拒否するほど偉くない」平岩外四
第6章 驕慢なる統治機構
最終章 せめてもの希望を
文庫版新章 永井隆、“聖者”の亡霊

著者等紹介

斎藤貴男[サイトウタカオ]
ジャーナリスト。1958年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業、英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。「日本工業新聞」記者、「週刊文春」記者などを経て独立。2012年『「東京電力」研究 排除の系譜』(講談社)で第3回「いける本」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

63
福島事故の時にいた現場の所長のことは、人間としても尊敬していた。東京支店副支店長等を経て、今では年間2兆円を請け負ううちの会社の常務になっている。そんな上司があの原発事故の後に「それでも原発を稼働させないと、日本は成り立たない」と言っていて、ショックを受けながらも「この人が言うなら本当に成り立たないんだろうな」と思った。でも「成り立たなくたっていいんじゃないのか?」という議論だって出来るはずだ。長崎・広島・福島を経験したこの国で「電気代が高いから原発稼働の規制をゆるめる」って、東電にいいようにやられすぎだ2023/02/15

Ikuto Nagura

6
本書の東京電力や山崎豊子『沈まぬ太陽』みたいに、労務管理・組合対策をする部署が、大企業における花形だった時代が、ついこの前まであった。資本家に都合の良いように人間を隷属させることが、出世への道であった。権利を叫ぶ労働者を「アカ」と呼んで排除し、御用組合を第二人事部として労働者を監視させる。「企業と社会の一体化を目指した福祉経営理念」という美名の下に行われる排除と分断による労務管理が、私たちに何の利をもたらしたのか。過半数に迫る非正規労働者と、世界最低レベルの労働生産性と、炉心溶融した原発4基、笑えない…。2015/12/19

jiangkou

5
原発、電力の成り立ち、今回の事故の関与した東電の構造などを知りたく読んだが途中で挫折。いかにも日本の記者が書いた本で、まず結論、自分が言いたいことありきで書かれている感が強く、また重厚感をだすため?に本旨とあまり関連が無いような情報もつめこみ、論説にもなっていないし、時系列でも記録ルポにもなっていない。自身が取材した順番にもなっていない。文章を書くのは難しい、、と改めて感じさせられた本。これを読むくらいなら日経の電力特集のほうが良い。2016/04/02

Hiroki Nishizumi

4
大作だ。大作ゆえ内容が広範囲なのは仕方ないが、話の流れがぎこちない。章毎に別の本として出した方が良かったんじゃないかなとも感じた。原発そのもののあるべき姿や人類との関わり合いは大切なテーマであり、本著でも拝聴すべき内容も多い。その一方で労使分断や組合運動殲滅との関連も考えさせられたし、木川田一隆、平岩外四についても興味深く読めた。惜しむらくは本の構成がもっとスッキリすれば更に高い評価を得たのではないかと想像されることだ。2017/09/27

okadaisuk8

3
往年の東電を名経営者として支えた黄川田、平岩両氏について、組合を押さえ込んだ過去などを中心に詳報して疑問を投げかける。やや情報過多な面もあるが、原発事故までの東電を中心とした政官財、ついでにメディアを含めた四者の関係を知るには参考になる。2021/08/16

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