出版社内容情報
作家の吉田は武蔵野の古い洋館を購入した。売り主の母が終戦後、吉田茂がマッカーサーの元に送り込んだスパイだったという噂を聞く。そして不動産会社の社員が殺害され…。十津川が辿り着いた真相とは?
内容説明
スランプに陥ったミステリー作家の吉田は、執筆環境を変えようと、東京郊外の古い洋館を購入した。その屋敷には、終戦直後占領軍の高級将校が出入りしており、売り主の母は吉田茂がマッカーサーの下に送り込んだ、女スパイだったという噂があった。興味を持った吉田が国会図書館で文献にあたる日々を送っていたとき、十津川警部と亀井刑事の来訪を受ける。屋敷を仲介した不動産会社の社員が、何者かに殺害されたというのだが…。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年東京生まれ。65年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞受賞。81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞受賞。2004年には第8回日本ミステリー文学大賞を受賞。トラベル・ミステリーで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
130
本書は短編小説の素材に歴史ノンフィクションのような体裁を加えて膨らました感がありまして十津川警部の出番はほんのちょっとで非常に少ないのが実に寂しいですね。そしてやっぱり西村作品の法則と言える「素人の重要人物は最後にろくな事にならない」を今回もきっちりと証明する結果になっちゃいましたね。このラストは正直言いまして、私にとっては密かに恐れていた「こんな風にだけはなって欲しくなかった残念な結末」でしたね。そして一番殺生に感じた点は、破られた日記に何が書かれていたのかの謎の答がバッサリと切られてしまった事ですね。2018/02/04
やんちゃジジイ
25
最悪でした。もうこの作者の本は読みたくない。2016/10/06
ブルー
24
久しぶりに西村京太郎を読んだ。マッカーサーと吉田茂の関係の謎、秘密。結末が面白かった。2015/12/28
Syo
21
西村京太郎って、 こんな文体だったっけ? わざと? 読点だらけの読みにくい文章。 同じことの繰り返し…。 マッカーサーと吉田茂。 その謎には興味があったけど 登場人物が限られているので 結果が予想されるし。 う〜む。2017/09/24
fumikaze
11
いつもの十津川警部の謎解きスタイルとは少々趣が異なる。薄い本なのだが戦争が絡んできて、いつものトラベルミステリーを期待して読むと少し読みにくいかもしれない。でも著者はこういう戦争の話を書きたいのだと思う。戦時中のことを知っている人が少なくなった今、戦時中を知っている作家には出来るだけ書き残して欲しいと思う。2018/11/09