夏の方舟

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041028292
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

帰ってきたクラスメイトは「女」になっていた。奇才が描く欲望と葛藤の夏。「わかりませんか。僕ですよ。久しぶりですね先輩」
かつてのクラスメートの男子は、ある夏、妖艶な女となって、突然、島に帰ってきた。
男たちに苦悩を呼び起こし、欲望にもだえさせるために。

瀬戸内海のある島に一人暮らしをしている水無月陸は、地域振興の一環として島巡りのガイドシステムを開発している。あるとき、港から続く道で、女性と見まがう男と出会う。彼の名は黒坂聖(せい)。かつてのクラスメートだった……その瞬間から陸の中に、苦い過去の記憶がよみがえり、淫靡な欲望が芽生え始める。(「水のかげふみ」)。 同僚と訪れた秘密クラブでは、毎週金曜日に過激なSMショーが繰り広げられていた。男はその異常な空間の中で、ある女に似た美しい男「S」にのめり込んでいく……(「サロメは金曜日」)ほか、一人の美しい男を巡る、淫靡で狂おしい葛藤劇。奇才・海猫沢めろんが描く、限りなく透明でj純粋な欲望の行く着く先。そこは楽園か、絶望か…・・。


第一話 「夏の方舟」 
 第一章 水の影踏み
 第二章 夏の刺青

第二話 「サロメのいない金曜日」

第三話 「こどもたちの素数」

海猫沢 めろん[ウミネコザワ メロン]
大阪府生まれ。日生学園第三高等学校卒業後、溶接工やホストなど様々な経験を経て、DTPデザイナーとして活動後、自ら開発したゲームソフトを元に小説化した『左巻キ式ラストリゾート』でデビュー。異様な内容が口コミでひろがりカルト的人気を得る。他著作に『ニコニコ時給800円』『愛についてのかんじ』など。

内容説明

かつてのクラスメート・黒坂聖が、ある夏、突然、島に帰ってきた。しかし彼は、妖しげな美しさをたたえる女性となっていた…。ノートに記された“決められた運命”を変える夏がはじまる。あの聖が帰ってきた。その瞬間、島に暮らす水無月陸の中にかつての苦い思い出がよみがえり、複雑な欲望が芽生える。あふれ出る激情に駆られ、陸は聖を…(「水の影踏み」)。島を出た聖を追いかけ、東京へむかう陸。たどりついた先で陸が目にした聖の“日常”とは。手に入れたいのは彼なのか、それとも…(「夏の刺青」)ほか、男たちの狂おしくも透明な嫉妬と葛藤を描く、青春小説の新たな金字塔。

著者等紹介

海猫沢めろん[ウミネコザワメロン]
大阪府生まれ。ホスト、DTPデザイナーなど様々な職業を経て、2004年『左巻キ式ラストリゾート』でデビュー。その異様な内容が口コミでひろがりカルト的人気を得る。文壇、カルチャー、評論などジャンルを問わず活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかだ

54
帯の乙一さんに乗せられて手に取った作品がBL風味でちょっぴり驚きだった作品。性別を超越した魔性の魅力を持つ黒坂聖を巡る連作短篇集。BLそしてSM要素強めで怪しさ&そこそこのえげつなさ(痛い系)はあるんだけど、そんなにエロさは感じずさらりと読みやすかった。BL特有の、女よりも女々しいんちゃう?と言いたくなるような、じめっとした感情のやり取りが少ないからかもしれない。男性作家さんがBLを書くとこうなるんだな~と、なんかとてもしっくり納得。一番好きなのは『こどもたちの素数』で、彼等の続きが読みたいなと思った。2019/01/25

ナミのママ

53
BL小説・・なのかなぁ?それにしても透明感を感じつつ、切れそうな繊細さをあわせもつ文章です。3話からなる連作短編集。最初の一話は島の自然さ、そこで暮らす若者のあいまいさ、たくらみ。積み重ねたその綺麗な文章を叩き壊す性と暴力。すっかりのめりこんでしまいました。3話目は私にはあわなかったですが、何とも夢の中にいるような危険な香りの本でした。・・・・読み手を選ぶでしょうけど、私はかなり好きです。2016/07/09

ココロココ

23
帯に書いてある通り、過激な描写が含まれています。小説だから、どうしても頭の中で想像してしまい、途中で読むのが辛くなりました。4つの短編集から構成されていますが、どれも1人の人物を主軸に構成されています。全部読み終えると、途中で読むのが辛くなった部分があるとはいえ、清々しいストーリーともいえます。2016/08/07

ひなた*ぼっこ

21
初読み作家。作家名がずっと気になってた。名前の雰囲気から講談社ノベルス(奈須きのこ、佐藤友哉)的な作品かと思ってたけど、それより耽美的だし切羽詰まった必死さがあって良い。男性の描くBL。2019/08/06

恋愛爆弾

19
「こどもたちの素数」がずば抜けて良かったのでそれを読むためにこの本を手に取ったということにします、〈「すんげえファックな気分だよ」/「なんで」/「ほめられるようなことをしてないのに勝手な理屈でほめられてるから」〉(260頁)。2022/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11031288
  • ご注意事項

最近チェックした商品