出版社内容情報
幽落町にも春がくる。
大学生の御城彼方が1年限定契約で幽落町の住人になったのは去年の春のこと。そろそろ約束の期限が近づいてきて、なんだか落ち着かない彼方だが……。ほっこり温まる謎とき物語!
内容説明
新しい年が明けた。冬から春に向かうにつれ、御城彼方の心にはチクチクと棘のように刺さるものがある。それは幽落町での生活のこと。去年の春、彼方は生身の人間でありながら常世の住人になった。でも、その契約期間は1年。約束の期限がもうすぐ切れようとしているのだ。下宿アパートの大家で駄菓子屋“水無月堂”店主の水脈さんは、生者の彼方がこれ以上、常世の幽落町にいてはいけないと言うけれど…。シリーズ第5巻!
著者等紹介
蒼月海里[アオツキカイリ]
宮城県仙台市で生まれ、千葉県で育ち、現在は東京都内で書店員をしている兼業作家。日本大学理工学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
158
千葉県民の彼方君が引っ越して来た幽落町で暮らして丁度一年を迎える区切りの5冊目です。シリーズの魅力は日本の神社の故事来歴や昭和初期の古き良き時代の思い出に触れさせてもらえて時には関東大震災等の負の記憶があってもユーモアをまじえて救いのあるラストに持って行き明るく前向きな気持ちにしてくれる所ですね。新キャラ・忍と謎の紙芝居屋・蘇芳の正体も判明して彼方の去就も含め憂いが晴れ全てがハッピーエンドで嬉しかったです。最後に芸能人ネタで忍とジローは坂上繋がりだし小城真夜の最後の一字をまに変えると尾木ママになりますね。2019/04/19
ひめありす@灯れ松明の火
83
我が家では彼方君のお家同様に夕ご飯のおかずの一品としてあげられる味噌ピーですが、千葉県内でもおかずにする家しない家があります。甘じょっぱいので美味しいと思うんだけれどなあ。新年を迎えて、少しずつ訪れる別れの予感。だけどもう少しこのおっとりとした物語は続く様です。良いシリーズになりました。今回から仲間に加わった忍さんもなかなか良い御仁でした。忍さんのような存在、境界を渡る事、うつし世とかくり世のこと。水脈さんも猫目さんも自分の主張を押しつけるのではなく、自分の気持ちとして話してくれるのがいいなあと思います。2016/05/24
はつばあば
57
彼方君が幽落町で暮らして丁度一年、本も5冊目。新人の忍さんと紙芝居屋・蘇芳さんの正体も判明して幽落町はほのぼのとした温かい雰囲気に包まれております。彼方君は一年を区切りに人間世界に戻らねばならない設定でヤキモキしましたが・・(#^^#)。このシリーズはここまでkindleunlimitで読ませて頂けます。次は途中になっていた華舞鬼町に戻ります2020/02/08
ううち
43
第5弾。新キャラ・忍さんがかっこいい。紙芝居屋の蘇芳さんは謎めいたキャラでしたが、正体が明らかになって可愛らしく思えてきました。相変わらず千葉がデスられていて笑えますが、千葉県民を選ぶのにはやはり理由があったのですね。これからも続くようで良かったです。2017/01/03
はるぽん🐰道草中🐱
43
シリーズ5作目☆私にとって、なくてはならなくなったこのシリーズ、読みやすいページ数も私にぴったり。表紙も毎回楽しみ。今回の新キャラは、でかくて渋い着物姿の忍さん。自分のことを余というところ、餡子や羊羹好きがツボ♪見た目はちょっと怖いけど、今まで色々あったからこそ…今でも…心優しい人です。謎の紙芝居屋、蘇芳さんの正体も明らかに。幽落町での契約期限が、この春切れようとしている彼方くんですが…うんうん、そうだよね、そう思っていたよ♪これからも、ますますこのシリーズから目がはなせませんね(*^^*)2016/12/25