内容説明
北品川の名水を使うことで美味いと評判の一膳飯屋「しみづや」。そこの飼い猫が真夜中に見世の前で倒れている若い男を見つけた。男の傷は手厚い看護もあって回復したが、男は自分が誰であるか分からなかった。手がかりは、懐に持っていた3本の包丁のみ。男は料理人だったのか?新助と名付けられた男は、なかなかの腕前で見世の手伝いを始めるのだが―。新助をうかがう怪しい人影。彼は一体何者なのか?書き下ろし時代長編。
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社勤務を経て、98年より専業作家。幻想小説、ホラー、ミステリ、時代小説を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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izw
10
北品川の名水を使うことで美味しいと評判の一膳飯屋「しみづや」が舞台、との紹介に、新しいシリーズと思って読み始めたら、品川人情串一本差しの「はし」も、お助け組の面々、居木橋村の根本南里先生も登場し、懐かしさもある。飾らないけど旨そうな料理が出てきて、会話のテンポもよく、安心して読み進めることができた。記憶が戻った後、無用意に過去のことを話してしまうのはどうかと思うが、まあ許そう。2015/09/09
ロックイ
6
美味しそうな料理と粋な人情話が詰まった品川しみづや影絵巻シリーズ第一段。どうやら「品川人情串一本差し」というシリーズの姉妹本のよう。店の前で倒れているところを助けられた記憶喪失の男は、料理もできれば、薬にも詳しく、言葉遣いも町人とは思えない謎の人物。しかし、しみづやの面々は気にする事なく、主人である幸助の弟子として新助という名を与え家族の一員のように接する。自らの生い立ちや生業は全く思い出せない新助ですが、美味しい料理と看板娘おさよの献身に癒されていくのが文面から伝わってきてほっこりしました。2016/09/26
マロン@積ん読消化中
0
積ん読消化。2016/10/05
かえる
0
ぼんやりしたラスト。シリーズものっぽいタイトルついてるけど、続くのかな?2015/06/23
いえのぶ
0
記憶を失った男が救ってくれた飯屋で料理人として働きながら失った記憶を取り戻そうとする。 アクションシーンは少ない。主人公の男の優しさが感じられる。 シリーズ化されるか微妙か?2015/05/10