出版社内容情報
櫛木 理宇[クシキ リウ]
著・文・その他
ヤマウチ シズ[ヤマウチ シズ]
イラスト
内容説明
年の瀬も押し迫ったある日、オカルト研究会に奇妙な依頼が。絵画愛好会主催の、卒業生のための展示会。モナリザを題材にしたある絵に、クレームが殺到したという。それは、男子学生が婚約者をモデルに描いた絵。婚約者どころか片想いど真ん中の霊感系大学生・森司は、原因究明にかり出されるが…。片想いのヒロイン、こよみと迎える年明けと、やがて味わうハートブレイクの先に待つものは!?青春オカルトミステリ第7弾!!
著者等紹介
櫛木理宇[クシキリウ]
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いーたん
92
もう7作目なんですね。いい表紙でした。表紙で、初詣で、エピローグでニヤニヤと、ニヤニヤ成分に溢れかえってました。もう森司とこよみは付き合っちゃえよ!と思うけど、この二人じゃ、ある意味、今の距離感がぴったりなのかも。 そして肝心の内容はというと、今回は今までより、怖いというか不快感を覚える内容でした。負の感情はより強大な負を呼び込んでしまうんですね。その中で、街灯のエピソードは負の話ではなく良かったです。引退して死も間近にも関わらず、救助犬としての使命を果たそうとするその姿は尊いものを感じました。2015/03/04
bookkeeper
91
★★★★☆ 再読。女性の顔を歪ませる呪われた絵、明滅して何かを告げる街頭、背後から覗く死者、自殺に誘う妖虫。オカ研には今日も怪現象に悩む相談者が…。 といった超常現象よりも、森司君の恋の行方の方が圧倒的に気になる第7作。こよみちゃんに憧れの王子様がいるらしいのだが(笑)。事件の真相の怖さなら第1話、2人の恋に身悶えしたかったら最終話がオススメです。最終話で森司君から顔を逸らしていた間のこよみちゃんはどんな顔をしていたのか。 「こよみはじっとピンクの紙袋を見つめ、やがて顔をあげてふわっと笑った」2021/06/15
☆ゆう☆
85
相変わらず森司とこよみの関係がゆっくりすぎて焦れったい。今回も森司はずっと悩みもがいていた気がする。そんな毎回悶々として疲れないのかと心配になるくらいだ。いろいろ考えた結果が合鍵。この合鍵を機に一気に距離を縮めてくれるとよいのだけど。ゆく末を見届けたい。ホラーは怖さ控えめで「嗤うモナリザ」と「薄暮」をはじめ恋愛にまつわるエピソードが多かった。「夜に這うもの」の虫はホラーとか違うほうでゾッとする。学生運動の話を絡めてくるなどまだまだ引き出しは色々ありそうな様子。次巻も楽しみに待ちたいと思う。(iBooks)2015/03/01
ごに
81
モナリザの雑学が面白かったです。本物が凄く見たい! 連合赤軍の話、そんな事があったんですね。時代背景があったにしろ、どこぞの新興宗教の様な恐ろしさがあります。 今回の霊障は今まで程怖くなかったのですが、森司とこよみのモジモジプレイが全開で、ご馳走さまでございました(笑)2015/03/30
巨峰
80
このシリーズ、巻を追うごとに怖さと凄みがましてきますよね。この巻も、4編とも面白くてよかったです。2人の進展はあいかわらずですが、最後に好きな人が怪我をしてまで助けてくれたんだから、そろそろ森司君も覚悟を決めないと!それから黒沼部長が語る現実の事件も怖かったです。熊取水木連続自殺事件とか、城崎一家八人全滅事件とか。実際の起こったと考えると気持ち悪いです。2017/09/30