出版社内容情報
人気歌人・穂村弘が選を務める短歌投稿コーナー(本の情報誌『ダ・ヴィンチ』連載)の書籍化第2弾が待望の文庫化。鮮やかな講評が、短歌それぞれの魅力をさらに際立たせる。
内容説明
「午前2時裸で便座を感じてる 明日でイエスは2010才」…毎月変わるテーマごとに読者から寄せられた短歌を、人気歌人・穂村弘が選んで紹介。本の情報誌『ダ・ヴィンチ』の投稿企画「短歌ください」の文庫版、待望の第2弾。さまざまな詠み手たちが生み出した傑作短歌と、その魅力を省立たせるあざやかな講評によって、言葉のワンダーに誘われる。読めばあなたもきっと詠みたくなる、実践的短歌入門書。
目次
罪
同性
数字
自然
体
味
エロ
距離
声
欲望
恐怖
年齢
植物
パニック
遊び
仕事
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年、北海道生まれ。歌人。90年、歌集『シンジケート』でデビュー。短歌のほかに、評論、エッセイ、詩、絵本、翻訳などを手がける。『短歌の友人』で伊藤整文学賞、「楽しい一日」で短歌研究賞、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomi
28
「ダ・ヴィンチ」の短歌投稿コーナーをまとめたシリーズ第二弾(単行本のタイトルは「短歌ください その二」)。穂村さんは度々、怖い歌はいい歌と書いていますが、印象に残った歌は怖い歌が多い。クスっと笑える歌。共感できる歌。寸評を読まないと理解できない歌。回(テーマ)別に自分なりのベストを選びながら楽しみました。2023/08/03
水色系
28
どきっとするような歌たち。目のつけどころがユニークだったり逆に当たり前すぎて一瞬で忘れてしまうことを切り取っていたり、そういう才能を感じる。午前2時裸で便座を感じてる明日でイエスは2010歳(P29、自由題)/来年もよろしくと言ったあの人は知らないうちにオムレツの彼方(P56、自由題)/背に乗った妹どかし腕立てを再開したら数えてくれる(P121、自由題)/うつされたあなたの菌をもうすこし飼っておきたい。エサはわたしだ(P174、風邪)/男って女より先に死ぬものね 綺麗になったのに眠ってる(P181、風呂)2023/03/30
Kazuko Ohta
24
わ、穂村さんの文庫新刊。笑わせてもらう気満々で手に取りましたが、私はこれまで彼のエッセイばかり読んでいて、短歌そのものが載っている本は初めて読むことに気づく。穂村さんは歌人なのに。泣ける映画が必ずしもいい映画ではなかったりするけれど、怖い映画も必ずいい映画というわけではない。でも怖い歌は必ずいい歌なのだそうです。他の感情よりも人間の深いところに根ざしているからかもしれないという推察になるほど。それにしても選出された歌の作者は皆若い。ジジババおらんし。経験値高い爺婆が恐怖について詠んだらさらに怖い気がする。2020/09/27
ちぇけら
22
もうそんな傷だらけにはならずとも宇宙の砂は持って帰れる。『短歌ください』シリーズはものすごく好きで、ダ・ヴィンチでも読んでいるのにまた読んでしまう。それは三十一音の定型があるからで、また投稿作品ならではの定型の崩壊があるからだ。誰かの目や思考をとおして型に流し込まれた音たちは、どんな天体よりも眩しい。この本のなかでは、川上渚さんの「男って女より先に死ぬものね 綺麗になったのに眠ってる」がいちばん好き。「ラブホテルでの一首」らしいです。短歌でなければ別に聞きたくない情景も、〈定型〉がそれを詩にするのだ。2021/01/10
ケー
7
ダ・ヴィンチの連載をまとめたもの。サブタイトルが秀逸すぎる。 投稿に対する穂村さんのコメント、解説も温かく、そして的確。自分も投稿しようかな。2022/12/18
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