出版社内容情報
将軍家斉お気に入りの台所人・鮎川惣介にまたひとつやっかい事が持ち込まれた。家斉から異国からやってきた男に料理を教えるよう頼まれたのだ。文化が違う相手に苦戦する惣介。そんな折り事件が──。
内容説明
江戸城の台所人、鮎川惣介は、将軍家斉に気に入られ、御家人でありながら御小座敷に召される身。周囲の妬み、僻みは毎度のことながら、此度も将軍から有り難迷惑な頼み事が舞い込んだ。家斉が日本に留めていた異国の男に、料理を教えてほしいというのだ。末沢主水と名付けられた、赤鬼のような容姿の男の扱いに悪戦苦闘する惣介。そんな折、惣介は、江戸城内で囁かれる不穏な噂を耳にするが―。珠玉の書き下ろし時代小説。
著者等紹介
小早川涼[コバヤカワリョウ]
三重県伊勢市生まれ。愛知教育大学教育学部教職科心理学教室卒業。高校時代より古典と日本史が好きで、特に江戸に興味を持つ。日本推理作家協会会員。三重県文化賞文化新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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絳楸蘭
24
惣介さん、相変わらず本人にその気がないうちに大事に巻き込まれていく…。そのお陰で(?)いろんな人と知己を得ているのが惣介さんの財産になっているのだから何とも言えない。隼人さまの親馬鹿振りが絵にまで表れるとは(苦笑)鈴菜ちゃんの思い人に驚いたけど、なんかわかるような気がする。新たな目標を見つけた鈴菜ちゃんに惣介さんは、またまた振り回されるんだろうなぁ。2015/06/07
那由多
16
旧シリーズ未読だけど、それでも面白く読めた。千代田の刃傷や、同じ200年の間に戦の起きていない日本と7回も起きたイギリス、日本と海外との子供の扱いの違いなど、知らなかったり知ってたのに意識してなかった歴史を改めて考えさせられる場面もあった。2023/08/13
ううち
15
今回も惣介さんが作って食べて、事件に巻き込まれてます。大層な事件なのにフワッと読めるのは美味しそうなお料理と惣介さんのキャラクターのせいかな?穴子丼がモーレツに食べたい。最後には驚きの展開が。続きが早く読みたいです。2015/08/08
mikipon
15
出版社が変わっていてビックリ。読者としては、続きが読めれば文句はありません。今回も、色々と騒動があって、惣介は大きなお腹を抱えながら(いや、妊婦じゃないけど)ふうふう走り回っています。でも、要所要所では、自分にも周りにも、まず美味しいものを食べさせる、そのポリシーに、とても共感する私。まさに、腹が減っては・・・なんですよ。2015/07/13
nyanlay
13
シリーズ物の最新作を最初に読んでしまったので、とりあえず図書館にあった作品の中から古いのを取ってみました。第3話の『鈴菜恋風』が個人的には好きかな。でもどれも季節を感じさせる描写、もちろん特に料理の描写は季節感がなくなりかけている現代の食卓を見直したいなぁ、と思います。2015/12/15