出版社内容情報
4人の関係者、3つの遺体、2人の刑事、1人の女。クライムサスペンス!他人の家庭に入り込んでは攪乱し、強請った上で消えてゆく正体不明の女〈サトウミサキ〉。別の焼死事件を追っていた刑事の元に15年前の名刺が届いたことから、過去を探り始めた刑事たちは、ミサキに迫ってゆくが。
伊岡 瞬[イオカ シュン]
著・文・その他
内容説明
40万部突破『代償』を超える戦慄のラスト!多摩川河川敷近くのレンタルコンテナから、女性の腐乱死体が見つかった。4人の関係者、3つの遺体、2人の刑事、そして1人の女。事件の裏に潜む、過去の因縁。その女と関わった人間は、すべてを失う―。著者渾身のクライム・サスペンス。
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
220
自分の本性さえ定かではないのに、他人の本性など分かる訳もなく、ただ何となく知った様な振りをして生きてきた。それでも過不足なく暮らしているのは『足る』を知っているからだろうかーそれなのに、このサトウミサキの行く末が気になって途中で止められないのは伊岡さんだからか。はっきり言っていい?こいつらは皆クソだ!あんまりだよ・・せめて宮下がどうぞ宮下が真実にたどり着きます様に。2018/07/21
🐾Yoko Omoto🐾
175
婚活に勤しむもまるでチャンスに恵まれぬ冴えない中年教師、女にも仕事にも良縁の無いやさぐれフリーター、資産はあるが痴呆が進む独居老人、自宅の風呂で溺死した夫の保険金を今か今かと待つ女。そんな彼らの日常に様々な餌を撒きながら近付く一人の女「サトウミサキ」。ある焼死事件の捜査線上にもまた彼女の影が浮上する。真相には腑に落ちぬ点も残るが、女の真の狙い、ターゲット達のミッシングリンク、それらが徐々に明らかとなる展開は非常にサスペンスフル。過去の非道を忘れ、目の前の欲に流される人間のゲスな本性には心底ウンザリした。2018/09/17
モルク
165
「サトウミサキ」という謎の女にたらしこまれる男たち、彼女をめぐる人たちや刑事、最初はバラバラだった話が後半一気にまとまってくる。名前以外は正体のわからない女ミサキの目的は何か。それは過去の因縁にまつわるものだった。そして壮絶なる復習劇。最終章で刑事安井隆三お前もか…となる。上手くいきすぎるのが難点だが、若い刑事宮下は、今後の作品にもなにかしら登場するのかな。宮下の今後に期待。2019/02/03
takaC
130
短編集かと思いきや書き下ろし長編の傑作だった。サトウミサキの強かさに感服。いずれ幕を引くのは宮下真人刑事なんだろうか。2018/08/12
タイ子
124
各章ごとに違った男女が登場。彼らに共通して関係してくる一人の女ミサキ。読んでいくにつれ、わけのわからない気持ち悪さが募っていく。だけど、面白いと思えるこのリーダビリティはさすがです。ミサキの存在と行動が謎というより人を翻弄していくサマに頁を捲る手が止まらない。人間の本性がそれぞれに暴かれるとき、そこに見えるのは非道、悪辣。ミサキの正体、事件の真相が暴かれてもなおこの気持ち悪さ。これぞ、井岡さんだな。2018/09/22
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