出版社内容情報
天才・西原無量が派遣された島原のキリシタン遺跡で、天正遣欧少年使節ゆかりとみられる黄金の十字架が出土。しかしそれは仕込まれた遺物だった。捏造工作の裏に隠された陰謀とは!? シリーズ第3弾!
内容説明
天才発掘師・西原無量が手がけることになった長崎県南島原市、日野江城下のキリシタン遺跡から、天正遣欧少年使節団ゆかりとみられる黄金の十字架が出土する。だがそれは何者かが意図的に仕込んだ、いつわりの遺物だった。捏造疑惑に巻き込まれ窮地に陥った無量を、つらい過去の記憶が容赦なく苛む。果たして誰が、何のために十字架を埋めたのか。そして事件の裏に張り巡らされた驚くべき陰謀とは…?シリーズ第3弾!
著者等紹介
桑原水菜[クワバラミズナ]
千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
70
発掘シリーズ3。今回は長崎。島原の乱から原爆まで、信仰のため、日本のために生きた人たちの思いがよみがえる。『遺物捏造の罪』をミゲルに語る無量の気持ちが全てを表していましたね。事件もその裏にある事情も重いのに、無量や萌絵の軽さとノリで読みやすい。萌絵、キライなキャラっぽいのにな。なんかいいんです。忍さん、どうなるの?敵なの?味方なの?2020/02/25
Bugsy Malone
62
シリーズ第3作目。今回の舞台は長崎県島原市のキリシタン遺跡。出土した黄金の十字架捏造事件。天正遣欧少年使節団を発端に島原の乱、大東亜戦争終結秘話にまで話は及び、学生運動の昏い歴史が事件に陰を落とす。ここで描かれている戦争和平工作は事実上起こりえたのか?もし本当にあった出来事だとし、成功したなら日本はどうなっていたのか?驚愕と共についそんな事を考えてしまいました。遺物捏造を許さない無量、無量を守る忍と萌絵も良かった。今作は中身も濃く特に面白かったです。2016/12/18
青蓮
61
大分読みやすくなってきましたね。無量&忍&萌絵の役割分担もはっきりして。今回はトラウマで随分苦しめられた無量が可哀想だったなぁ…。2017/03/10
ゆう
36
あれ?これってシリーズだよね??っていうくらい前の2作とカバーイラストの雰囲気が違うことにまずびっくり。今回は長崎、キリシタンが題材で異国の雰囲気がたっぷり。無量のトラウマで重くなりがちな流れも要所要所で出てくる萌絵の一直線な感じに救われた。忍ちゃんの掴めない行動にソワソワというかゾワゾワというか。これからどうなっていくんだろう。2015/09/01
shizuca
34
島原の乱ときいてキリスト教関係でどうなるのかと思っていたら、まさかそうくるとは! 話がどんどん広がって二転三転のどんでん返しに文字を追う目が追い付かなくてもどかしく感じる一冊でした。いや、誰が味方かそれすらわからないのでハラハラです。忍に不穏な空気が前作から流れていたので、物語が暗くなり始めたら嫌だなぁと思っていたら、萌絵がいたらそうはならないのでは、と感じられるような今作に、次巻が待ち遠しいなと。あまり恋愛は求めてないのですが(あれば嬉しいけど)、萌絵、忍、無量で交わされるとりとめのない会話がすきだ。2015/09/01
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