角川文庫<br> 〓東綺譚 (改版)

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角川文庫
〓東綺譚 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 192p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041022108
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

にわか雨に傘をひらき、慌てふためく街のさまを見ながら歩きかけると、結いたての潰島田の頭を入れてきた女がいた。わたしとお雪の出会いであった―。私娼窟が並ぶ向島の玉の井を訪れた小説家の大江匡は、かすかに残る江戸情緒を感じながら彼女のもとへ通うようになる。移ろいゆく季節と重苦しい時代の空気の中に描き出される、哀しくも美しい愛のかたち。永井荷風の最高傑作が、文字が読みやすく解説の詳しい新装版で登場。

著者等紹介

永井荷風[ナガイカフウ]
明治12年(1879)12月3日、東京生まれ。高等商業学校附属外国語学校(現・東京外国語大学)清語科除籍。広津柳浪や福地桜痴に入門、一時は落語家や狂言作者を目指す。ゾラに傾倒し、35年、「地獄の花」を発表、自然主義作家としてデビュー。36年から、米国、ついでフランスへ渡り、41年に帰国。「あめりか物語」「ふらんす物語」で一躍文名を高めた。43年、慶應義塾大学教授に就任、雑誌「三田文学」を創刊、主宰し、反自然主義の立場から耽美主義の傾向を深める。洗練された江戸情緒と花柳趣味の漂う戯作的描写を得意とし、主な作品に「〓(ぼく)東綺譚」の他、「腕くらべ」「つゆのあとさき」などがある。また断腸亭主人と号し、「断腸亭日乗」などの日記文学を残した。昭和27年(1952)、文化勲章を受章。後年は浅草通いで知られた。34年(1959)4月30日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

47
私娼窟で小説家大江(作者の分身)がお雪に会い別れるわずか4ヶ月ほどの物語。挿絵の木村荘八とともに愛情あふれる世界をさらりと描いている。2013/01/20

touch.0324

44
濹東とは隅田川の東側の意。文字どおり、浅草から隅田川を越えて、玉の井(現在の墨田区東向島)に住む娼婦お雪と逢瀬を重ねる物語。舞台が自宅の近所なので興味深く読んだ。主人公の大江がお雪を求めて通った3キロほどの道のり─言問橋、白髭橋を通って隅田川を渡り、水戸街道を北上─は、現在は東京スカイツリーのベストビューポイントである。頭の中で時を80年ばかり遡り、荷風の耽美な筆致で描かれた東京の町並みに思いを馳せた。江戸文化趣味、好色趣味の荷風文学の極北とも言われるだけあって、短いながらも味わい深い一冊。2014/10/06

mt

32
荷風の目線はあくまでも市井の人に寄り添い、花柳界の情味と古い懐かしい町並みを郷愁を持って書き連ねる。枯れようとする齢と知己を得た友人を亡くした淋しさ故か、ふとしたきっかけが生まれ、毎夜のようにお雪の元に足を運ぶ。繰り返し描かれる溝の臭気と、二人につきまとう蚊の羽音が鼻と耳に残る。自分を愛してくれたお雪への想いは尽きないが、お雪を受け入れる選択肢はない。生まれ育った家柄への反発、隠しきれない育ちの良さと闘う荷風の私小説と感じたところだ。その後の描きかた講習めいた末文は面白いが、私には不要と思えた。2015/09/06

kaoru

16
昭和初期の私娼窟が舞台。江戸の情緒を残した街の様子が描かれていて、何とも興味深いです。そこに、木村壮八さんの挿絵がさらに趣を加えています。また、切ない恋の結末も秀逸です。字が大きいのもうれしい。2016/07/13

LUNE MER

14
玉の井について最近興味を持ってあれこれ調べている中で存在を知った本作。永井荷風の作品を読むのはこれが初めて。直接的には戦禍で失われたかつての玉の井の色街。たとえ消失しなかったとしても時代の流れとともに失われていく運命にはあったろうと思うが、本作の中では永遠の風景として鮮明に描かれている。実際に足繁く荷風が玉の井に通う中でおそらくモデルが実在したであろうお雪の艶かしい存在感。短い作品だが妙に存在感のある小説。2024/03/16

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