慟哭の海峡

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041021538
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

太平洋戦争時、20万人ともいわれる犠牲者を生んだ、台湾~フィリピン間のバシー海峡。生き延びたある人は私財を投げ打ち毎年の慰霊を続け、亡くなった人の中には「アンパンマン」作者やなせたかしの弟もいた…。

内容説明

“輸送船の墓場”と称され、10万を超える日本兵が犠牲になったとされる台湾とフィリピンの間の「バシー海峡」。アンパンマンの作者である、やなせたかしの弟もその一人だ。その“魔の海峡”から12日間の漂流を経て奇跡の生還を遂げた若者がいた。彼は死んだ戦友の鎮魂のために戦後の人生を捧げ、海峡が見える丘に長い歳月の末に、ある寺院を建てた。2013年10月、やなせたかしとその人物は、奇しくもほぼ同時期に息を引き取った。「生」と「死」の狭間で揺れ、自己犠牲を貫いた大正生まれの男たち。今、明かされる運命の物語とは―。

目次

第1部 碧き波涛(撃沈;内蒙古から南方へ;狂い死にする兵たち;奇跡の救出;バシーに沈む駆逐艦;南国の気風を受け継いで;青春の京都土佐塾;海軍少尉・柳瀬千尋;魔の海峡;訪れた悲報)
第2部 鎮魂の海(国破れて山河あり;鎮魂への執念;漫画家やなせたかし;姿を現わした潮音寺;アニメ「アンパンマン」の誕生;荒れ果てた寺院;永遠のヒーロー)

著者等紹介

門田隆将[カドタリュウショウ]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍している。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

125
大東亜戦争を戦い、戦後の復興を担ったのは大正生まれの世代だった。台湾とフィリピンの間のバシー海峡では無数の日本の艦船が米軍により撃沈された。実に10万人以上の日本兵が散華した。やなせたかしさんは弟をバシー海峡で亡くした。また、中嶋秀次さんは12日間の漂流の末に奇跡的に生還。二人の戦後、慰霊の思いが描かれる。輸送船の何割かが到着すればと言う無謀な作戦。その作戦を行わざるを得なかった日本の悲しさ。何より台湾に建設した慰霊の寺院を守る為に、91歳の中嶋さんが台湾で証言する姿に涙する。風化させてはならない記憶だ。2020/07/20

それいゆ

80
アメリカの潜水艦に撃沈された日本艦から生還した生存者の漂流記を読んだのは初めてです。戦友を慰霊するために尽力した中島さんの生き様に感動するとともに、バシー海峡で散った日本兵たちの「無念」を実感することができました。自分の顔を食べさせて困っている人を助けるアンパンマン。今までは、こんな変なキャラクターがなぜヒットしたのだろう?と思っていましたが、この本を読んで、やなせたかしさんが一風変わった自己犠牲キャラクターを誕生させた想いを初めて理解することができました。2014/11/22

ウッディ

78
戦時中、「輸送船の墓場」と言われ、多くの若い命を奪ったバシー海峡。時期を同じくして、この世を去った2人の男がいた。一人はアンパンマンの作者・やなせたかしさんの弟、そしてもう一人は、台湾の岬の鎮魂の慰霊碑を立てた中嶋秀次の親友。戦争体験をした方が亡くなっていく中、平和への強い想いを次世代に残すため、「アンパンマン」というヒーローに、そして慰霊碑に自分の意思を託した人たちがいたことを忘れてはならない。2017/08/26

ゆみねこ

67
台湾とフィリピンの間に横たわる「バシー海峡」、第2次大戦末期、数多くの日本の艦船が米軍の攻撃により沈没した。この本の中では揚陸母船・玉津丸からの生還者・中島秀次氏と、駆逐艦呉竹の沈没で戦死したやなせたかし氏の弟柳瀬千尋氏、そしてやなせたかし氏を描いたノンフィクション。戦争がいかに無残で悲惨なものかをあらためて突きつけられました。終戦から70年、こういう本こそ数多くの若者に読んで欲しいと思いました。2015/01/13

ころりんぱ

52
バシー海峡と聞いて、それが何処で、何があった場所なのか答えられる人は少ないと思う。私も答えられない人だった。でも、この本を読んで、多くの船が沈み、数えきれない人の命が尽きた場所だと知った。その中には、やなせたかしさんの弟もいた。やなせさんのアンパンマンに託した想いを知った。また、12日間も漂流して何とか命を繋いだ中嶋さんが、戦後、海に消えた戦友たちの慰霊のために潮音寺というお寺を建てたことを知った。お二人ともすでに亡くなっているが、私はこうやって戦争世代の方の体験や想いを知ることが出来て良かったと思う。2015/03/31

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