内容説明
ニューギニアから復員してきた金田一耕助の探偵事務所に、没落の一途を辿る名門・柳條家の息子月光が相談にやってきた。金田一は柳條家の没落を願う者が集うと言われ銀座のレストランに招待されたが、何事も起こらない。だが、月光は何者かに殺害され、金田一は等々力警部により現場に連行されてしまう。巧妙に仕組まれた罠と幾重にもはりめぐらされた謎。金田一耕助と明智小五郎、日本を代表する二大名探偵が、難事件に迫る。
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選、90年「殺人喜劇の13人」で第1回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
130
探偵小説世界を、作者やシリーズを超えた地続きの世界だと考える芦辺氏のパスティーシュ「金田一VS明智」第二弾。本家で二人が活躍する物語の時代の隙間を縫うように「もしもこうだったら…」のワクワクする想像の世界が繰り広げられる。トリック自体に目新しさはなくとも、やはり異形の装束に身を包んだ人物が取り押さえられ正体を暴露された時の「お、お前は!」が、お約束ながらも快感なのだ(笑)今回も緑衣の鬼を思わせる怪しい人物や、包帯で人相を隠す謎の人物が登場し物語を盛り上げる。横溝、乱歩両氏へのこよなき愛に大拍手。続編切望。2014/09/30
ダイ@2019.11.2~一時休止
73
名探偵博覧会その4?。短編集。金田一の出番が多い。ようやくVSって感じも出てきてよかった。2014/10/12
HANA
44
前作に引き続いて表紙は杉本一文、背表紙は黒に緑文字とわかっている内容。やっぱり本屋で見かけた時ジャケ買いしてしまいました。今回は金田一の行動に焦点が当てられているが、そのせいか何となく彼が狂言回しの役を務めているようでやや不満。三枚目的なものはそのキャラクター性だけで、探偵としての行動ではないと思うんだけどなあ。内容的には前作に比べて斜陽の戦後貴族社会や魔都上海とを舞台にしたものは舞台設定は面白かったけど、その他の短編はミステリらしくないような。やっぱりファンブックとしての側面が大きいなあ、これは。2014/10/12
りょうこ
37
金田一耕助VS明智小五郎の第二弾。金田一耕助のもっさり感と明智小五郎のシュッとした対比が面白いが、やっぱり金田一派の自分のとしては金田一にもっとがんばって欲しかった(笑)金田一耕助もやる時はやりますよ(笑)このシリーズ続けば良いなぁ。2014/10/05
マムみかん(*感想は風まかせ*)
31
読メを始める前に、この名探偵パスティーシュのシリーズを創元推理文庫版2冊で既読。 続編が出たので手に取りましたが、あとがき(~好事家のためのノート~)まで楽しめました。 ただ、一応は金田一耕助が主役っぽいのですが、まだまだ明智先生には敵わない、と言うか見守られている感じですね。 小林少年には、ライバル認定されているようですが…(笑)。 時代の雰囲気も感じられて良かったです。 ぜひ、『ルパン対ホームズふたたび』もよろしくお願いします☆2015/01/03