内容説明
美術大学に入学した内気な男子、道郎は、おかしな先輩・桧垣に誘われてホラー映画を作ることに。桧垣に渡されたホラー映画を見ていると、なんと画面から、大ハサミを持った少女が飛び出してきた!カルミンと名乗る少女につきまとわれるようになった道郎は、この世のものではない存在“ハザマ”が見えるようになり…。映画作りに奔走しながら、ハザマが起こす不思議な事件をカルミンと解き明かしてゆく、青春ホラーミステリ!
著者等紹介
佐島佑[サジマユウ]
1979年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業後、劇団カリフォルニアバカンスを立ち上げ、放送作家、シナリオライターとして活動。現在、会社勤務。2013年「ウラミズ」で、読者、書店員から最も多くの支持を集め、第20回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
36
帝陽美術大に入学した道郎が、調子のいい先輩・桧垣に誘われてホラー映画を作ることになり、渡されたホラー映画を見た時画面から飛び出してきた大きなハサミを持った少女・カルミンと出会う物語。基本的には不思議な現象をもたらす「ハザマ」をカルミンと解決するという筋立てで、ホラーというほどでもなく、映画制作や知り合った同級生の女の子・理緒との仲もあまり進まずで、内気な道郎の優柔不断さが物語のテンポにやや影響しているものの、全体としては読後感の悪くない、あっさりテイストの青春ものといった印象ですね。続巻の展開に期待です。2014/10/08
瀧ながれ
25
ぼんやりとしているうちに流されてゆく主人公が、なんとも情けなくておもしろいなあと思いましたが、ほかの個性豊かなレギュラーたちが、描写が足りないのか、印象に残りにくいのが残念です。あんなに変な人たちなのに。DVDの画面から出てきた金髪ハサミ少女も、主人公がほのかな思いを寄せる女子生徒も、それぞれ違う意味でちょっと不思議な雰囲気だし、冒頭で主人公を巻き込む先輩の迷惑さも、「もっと行けるだろう!」てな読み足りなさが残りました(もちろん、「もっと行」ったら主人公がひどい目にあう展開です)。…続巻を読めばいいの?2016/12/29
Yobata
20
帝陽美術大1年の都築道郎は先輩の檜垣に誘われホラー映画を制作することに。参考として渡されたホラー映画を見ていると大きなハサミを持った少女が画面から現れる。ハザマの存在が見えるようになった道郎はハサミ少女カルミンと共に不思議な謎を解き明かす…。舞台となる帝陽美術大は航空公園ってむちゃんこ地元wてことはテイビって日美のことかと思ったら作者自身が日美出身なんだねwカルミンの影響でこの世とあの世のハザマにいて、この世に結びつけてる鎖をカルメンのハサミで切り離しあの世へ送る話。ホラー…よりファンタジーかなw?→2014/08/14
ううち
18
ホラーを題材にしているけどオカルトっぽくて怖くはないです。美大生のちょっと不思議な日常の物語という感じでしょうか。個性的な先輩たちがスパイスになっていますが、あっさりして読みやすかったです。道郎くんはどんな映画を作るのかな?カルミンがキュート。2015/05/01
ジョン
12
道郎は、大学で偶然知り合った先輩からおしつけられた映画をノートパソコンで見ていた。突然画面が暗転し、暗い画面の中から、さっきまで見ていたホラー映画のハサミ少女が現れた。彼女はハサミを振り回してきたが、現実の物を切ることはできなかった。そんな彼女に憑かれたばかりに、奇妙な出来事に遭遇していく羽目になる。……可もなく不可もなく、といった青春ホラー小説。強いて上げれば読みやすかった……ぐらいしかないかなー。続編前提の話なのだろうか? 大学生が主人公なのに、その強みをまるで生かしきれていない感じがする。2018/05/11