出版社内容情報
安部 龍太郎[アベ リュウタロウ]
著・文・その他
内容説明
鳥羽・伏見の戦いに敗れ、旧幕軍は窮地に立たされていた。しかし、徳川最強の軍艦=開陽丸の艦長・沢太郎左衛門と盟友・榎本武揚は薩長からの圧力に屈することなく北へ向う。それは新政府軍に抗戦を続ける奥羽越列藩同盟を救援するため。日本史上初の近代海戦、荒れ狂う北の海…。時代の大きなうねりを乗り越え、彼らは新しい時代を切り開くことができるのか?歴史小説の名手が海を舞台に明治維新を描き切った渾身の長編。
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。小説家。89年から1年間、「週刊新潮」に連載した「日本史血の年表」(90年、『血の日本史』と改題し刊行)で衝撃的なデビューを飾る。94年、『彷徨える帝』で直木賞候補、2005年、『天馬、翔ける』で第11回中山義秀文学賞を、13年、『等伯』で第148回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
り こ む ん
26
幕末もの読んでいる割りには、船って読んでないな。と、ついつい、陸戦はかりに向かいがちなのに反省。島国日本の海軍の始まりがここにあるのだな。華々しくオランダから嫁にやってくるはずだった開陽丸。でも、すでに幕府は瓦解。賊軍とされ、幕臣と共に北へ北へ。時の流れの残酷さを感じずにはいられない。物語としては、ちょーっと、もの足らない。特に、開陽丸の最期、あんなに爽やかになるもなか?航海の臨場感、座礁時の臨場感は良かったのだけど…読了後、何が足らないような気がした。2015/03/26
糜竺(びじく)
22
幕府海軍最大の軍艦で、まして日本での就航後、わずか一年半で沈んだ開陽丸について描かれた小説。幕末の海軍側の動きについて知ることが出来た。2022/06/13
ウィズ
14
報われることの少なかった男達の戦いの記録です。幕末物を読むと何故か新政府側ではなく、幕府側に肩入れしてしまう。これがいわゆる判官びいきというやつだろうか❗2015/01/06
sin
12
榎本武揚と澤太郎左衛門が主人公。海軍総督の榎本武揚は有名だが、名前が知れ渡っていない澤太郎左衛門が好人物で良かった。 戊辰戦争での上野~東北の戦闘には参加できなかった止むを得ない理由や、幕府よりも徳川家、後に旧幕臣を守るために苦肉の策で北海道開拓を模索しての函館行。そして開陽丸の沈没まで、知らなかったことが多くて楽しめました。あと、2人の師である勝海舟の江戸無血開城への薩長との駆け引きが絶妙で勝の先手先手の采配が功を奏したんだなぁと感心した。2015/01/30
まみ〜
8
地元の博物館の水中考古学展で、開陽丸の模型と引き揚げられた品が展示されていたので興味を持ち読んでみました?幕末の動乱期?幕府の意向を受け、オランダへ留学し、最新鋭の軍艦・開陽丸とともに帰国した沢三左衛門?盟友の榎本武揚とともに、徳川家と日本のために行動するが…?徳川慶喜の大坂脱出や、江戸城無血開城までの交渉、さらに奥羽越列藩同盟の脆さ、そして開陽丸が見舞われた悲劇?あぁ、何かが少しでも違っていたら、彼らの運命もこの国の現在も違っていたのかもしれない、と考えさせられました?解説も良かったです?2017/12/14