内容説明
頭部がない死体、胴体がない死体、右手がない死体…。遺体の一部が持ち去られる猟奇殺人事件が6件連続して発生した。捜査が混乱を極める中、ある日本部に1通のメールが届く。僕は継ぎ合わされた死体から蘇った死人です。僕たちを殺した犯人を見つけてください―。鏑木警部補率いるクセ者揃いの特捜班が前代未聞の謎に挑む。度肝を抜く結末が待ち構える警察小説新次元!横溝正史ミステリ大賞受賞作、待望の文庫化。
著者等紹介
河合莞爾[カワイカンジ]
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。現在、出版社勤務。2012年、初投稿作『デッドマン』で第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
209
他の読書家さんのレビューを見て気になったシリーズ。横溝賞はぶっちゃけ知らない作家が多い。本格+警察小説+社会派+異常殺人系のハイブリッドを狙ったのだろうか。おいしいとこ取りに見えますが、この頁数では書き込み不足は仕方がないか。この手のミステリジャンルちゃんぽんの中では、やや本格色が強めな事で今後に期待。今作も参考文献が占星術殺人事件で、シリーズ3作品目は密室物?みたいなので。警察小説としての側面にもう少し厚みが出てくると、ひょっとすると激ハマリするかもしれない。作品単体での評価としてはややパンチ不足かな。2016/06/25
nobby
157
これはなかなか面白かった♪『デッドマン』というタイトル、そして“アゾート”という言葉を出してまでの猟奇連続殺人、怪奇ホラーやSFと思わせながら、爽快なミステリー。6部位を継ぎ合わせた死体が蘇ったと思わせぶりな描写の背景には納得できるのと同時に、中盤から判明していく展開が素晴らしい。そして後半にかけては、大小とも丁寧な伏線回収がされ大満足。最後の犯人説得の場面はよくある感じだが、何よりそれを上回るプロットが秀逸!2015/08/09
🐾Yoko Omoto🐾
148
第32回横溝正史ミステリ大賞受賞作。頭部のない死体が発見されたことを皮切りに、胴体・両手・両足それぞれが切断された6件の殺人事件が発生。物語は「鏑木」を中心に犯人を追う刑事と、死体を繋ぎ合わせ蘇生させられたと思われる「デッドマン」の二視点で進行し、犯人はどういった人物で目的は何なのかが焦点となる。何というか全体的にサラッと…という印象。刑事たちの「如何にも」というキャラに作り過ぎ感があり、終盤の犯人との対峙もサスペンスドラマ調な気がした。だが一連の真相についての発想は面白く読みやすい。次作も期待。2014/10/04
mmts(マミタス)
141
存じ上げない作家さんなのに、何かしら惹かれるものがあり、そのままあっという間に読み終わりました。普段は警察ものは読みません。しかしながら、主人公それぞれのキャラクターが面白く、まるでドラマか映画みたいな迫力でした。全ての真実が分かった時、あまりに切なくて悲しくなりました。あっ、私は最後の最後までフランケンシュタイン?だと思いました。とにかく次から次へと飽きることなく読めました。続編があるようですから気になります。2016/01/14
chiru
138
頭と胴体と手足…6つのパーツはすべて別々の人間の一部。それを一つに合わせたら、”体”は“誰”のもの? 猟奇事件捜査中に届いたメール。『僕は継ぎ合わされた死体から蘇った死人です…』“デッドマン”に死から甦ったと記憶を植え付けた意図の謎。入院中の若者と少女とが出会うエピソード。それらが交差した先に待つ真相には、やりきれない結末が…。途中、島荘の小説を読んでる錯覚に! 後半、伏線がフルスロットルで追いつくシーンが圧巻‼ クライマックスへの期待値の上げ方が抜群にうまい作家さんだと思う! ★42020/08/01
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