内容説明
第二次世界大戦前、ドイツより日本を訪問し、全国を歓迎と熱狂の渦に巻き込んだヒトラーユーゲント。その盛大な歓迎会の最中に、ある秘密工作は粛々と仕組まれていた―。「インヴェ」という名前に導かれ、丹波篠山である男の家を訪れた浅見は、殺人事件の嫌疑をかけられることに。ナチスドイツが遺した爪痕は、意外な形で日本へと繋がっていた。気鋭のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハの祖母からのたっての頼みを受け、ドイツへと赴いた浅見光彦が目の当たりにした悲しみの真実とは?緻密に組み立てられた陰謀は、70年の時を経て現代へ甦る!官僚一家の名門・浅見家を脅かす「亡霊」の正体とは?現代ミステリー界の雄が不退転の決意で描きだした名探偵“最後の”事件!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
それいゆ
62
丹波篠山と神戸がメイン舞台では、何とも味気ないですが、ドイツやオーストリアまで出かけていく壮大なドラマに仕上がっています。十年近く前にハルシュタットを訪れたことがあり、当時の風景が浮かんできました。2泊して湖でボートを漕ぎ塩鉱も見学しました。夏の暑い時期なのに地底に降りると寒さで震えました。上下巻の長編は、余計な説明が多いような気がします。上巻の途中で気がついたときには寝ていました。誕生会に招待されるという設定も現実離れでピンときません。楽譜の謎解きもインパクト不足です。私は着想には「う~ん!」です。2014/10/05
Taka
43
読み終えました!フルトヴェングラーの楽譜には深い深い謎がありました。浅見光彦最後の事件簿とあるので、これで終わりか?と思いつつ、内田さんのあとがきにはヒントが記されてました。事件はスッキリしたけど浅見光彦のこの先は大いに気になる作品です!2018/01/28
じゅん兄
42
ドラマ化が前提なんだろうか?ドイツ観光案内を読んでいるようでした。第二次大戦中のナチスに纏わる美術品の話自体はとても面白かったけど、ミステリーとしてはどうでしょう?浅見光彦は何か推理したかなぁ。日本、ドイツで様々な人々に当時の話を聞いて謎があきらかになっただけで、彼が推理して謎を解いたわけじゃない気がする。それでも未来を託された40年後の彼の姿は見てみたい。2014/11/08
きっちゃん
39
第二次世界大戦を背景にした作品は多いが今回はドイツとの関係にまで及んでいる。実在の人物や事件が上手く絡まっていて「講談師見てきたような嘘を言い」ではないが真実だと思わせるところが上手いな~。光彦最後の事件となってはいるが未発表の事件が4つあると光彦が軽井沢のセンセに言ってるのでもう少し楽しめそうだ。2014/09/20
ミーママ
34
図書館の本。 光彦さんも家から出ていくのですね! こんな日が来るなんて! でも、光彦さんは日本中旅していろんな事件に関わっていくのでしょう。 改めてほかの作品も読み返したい‼️ 2019-112019/02/25