内容説明
異能を使い暗躍する兇悪な地下組織、ポートマフィア。その幹部・太宰治と下級構成員の織田作、情報員の坂口安吾は立場の違いを超えた仲だった。だがある日、安吾が突如失踪。首領・森鴎外から捜索を命じられた織田作は、太宰と協力して調査を開始するが、安吾のスパイ疑惑が浮上する。さらにミミックなる犯罪組織が攻撃を仕掛けてきて…!?太宰がマフィアと訣別した理由が遂に明らかに!熱き男たちの異能対決第2弾!!
著者等紹介
朝霧カフカ[アサギリカフカ]
愛媛県出身。シナリオライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェシャ猫
82
小説しか読んでないから分かってなかったけど、太宰さんの優秀さがよく分かるお話。マフィアではものすごい人だったのね。前の感では優秀そうだけどという感じでしたが。内容的には、立場を超えた3人の友情が立場故に壊れ、そして無くなったものをそれぞれが惜しむ、悲しいお話。織田作はこれからも出ておかしくないキャラクラーでしたね。2016/08/16
夜桜キハ
73
文章が素敵で、そして、泣けました。重く暗い闇に包まれたマフィアの世界が今回の舞台。太宰治の黒の時代……そしてそこからどのように更生したのか。何を思って消息を絶ったのか。それが全て書かれており、そしてそんな血に塗れた舞台の中でも素敵な「友情」があり深く感動したと同時に切ない、そして哀しみが襲いました。太宰治の孤独を見抜いた織田作が言った言葉が好きです。「人間失格」を読んだからこそ、太宰治の背景が分かって余計にリアル……。「この酸化する世界の夢から醒めさせてくれ」人の過去を描く哀しくも面白くて。次巻も読みます2023/04/20
ひめありす@灯れ松明の火
67
僅かな先の未来。また死ねなかったよ、と今にも泣き出しそうな顔でいつも笑う君が、本当に雫を零すのを。その白皙の面差しを涙が伝うのを、引き延ばされた静謐の時間の中で僕は見る事が出来るのだろうか。誰にも頼らず、誰にも依存せず。ただ思うがままに三人で杯を交わし、くだらない事で盛り上がった。揃いのポーズで写真も取ったね。でも、出来るなら君に泣かないで欲しい。呆れた王だ、活かしてはおけぬとお人好しの君がなりふり構わず君の正義の為に、夕日の中を駆け抜けるような、そんな美しい光景が見たいんだ。それまで、長い長い、お別れだ2014/09/13
佐島楓
62
一応刊行順に読んでいる。織田作之助の心情が細かく書かれることで、アニメしか見ていないわたしには理解が深まる部分が多かった。非常に切ない友情と、けれんみにあふれた戦闘シーンのコントラストがなんとも言えず良い。2023/04/04
里愛乍
60
前回をさらに遡り、太宰がやんちゃな黒春時代を送ったマフィア幹部だった頃のお話。ストーリーの展開は勿論人間関係も組織対立も戦闘場面もかなりパワーアップしているように思われます。なんといっても織田作がいいですね凄く魅力的に書かれている。あとがきを読むとさらに切なくなってしまいます。恥ずかしながら織田作之助の作品は読んだことがなかったのですが、これは是非読まねばと思いました。機会があれば難波に行ってカレーも食べよう。2014/08/02