内容説明
8歳で山に入り、15歳で初めてクマを撃ち、生涯で50頭以上のクマを仕留めた伝説の猟師の半生記!ここには、生きるすばらしさが詰まっている。
目次
第1章 クマを撃つ(手負いクマが向かってきた;初めてのクマ狩り ほか)
第2章 魚を捕まえ、動物を追う(子どもの頃から魚を捕る;ヤブをこいで渓流釣りへ ほか)
第3章 山に生まれ、自然とともに暮らす(水とともにある暮らし;生活の糧になったテン ほか)
第4章 岳人を助ける(高校山岳部の遭難;気象条件の変わりやすい朝日連峰 ほか)
著者等紹介
志田忠儀[シダタダノリ]
大正5(1916)年3月、山形県西村山郡西川町大井沢に生まれる。尋常小学校2年生の時に山に入り、15歳の時に初めてクマを撃つ。以降、これまでに50頭以上のクマを仕留めてきた。3度の召集の後、戦後は磐梯朝日国立公園の朝日地域の管理人や朝日連峰の遭難救助隊なども務める。また地元のブナ林を守る環境活動にも携わり、その功労で平成元(1989)年、勲六等単光旭日章を受章した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
50
なんと、わかりやすい文章を書かれるのだろう。それ自体が、この方の頭の良さ(本当の賢さ)であり、かつ、マタギとしての営みだけでなく、山に関わる幅の広さっと、能力の凄さに通じるのだろう。驕り高ぶりもなく、山への感謝の念を持つこっと。2021/07/17
ようはん
16
山形県の朝日連峰にて100歳まで生きた老マタギの話。前半はツキノワグマ狩りの攻防、後半は遭難者救出の数々が印象深く大自然の豊かさ以上にその過酷さ危険さを感じさせる。2020/08/19
翡翠
12
山で生きるとはどういうことか。厳しさとその恩恵。もうこん暮らしは出来ないだろう。登山ブームで気軽に山に入る人が増える一方で志田さんのようなマタギによる救助活動は続く。地道に山を守る活動はなかなか知られることはないかもしれない。本当に頭が下がる。志田さんの文章には余計なものがない。余分な物を削ぎ落として山を歩き、色々な声を聞いて状況を判断する身についた知恵と経験。凄い人。2021/06/22
ろし
11
朝日連峰の麓に住む志田忠儀さんの、狩猟や釣りのこと、召集されて戦地でのこと、遭難救助の事などが書かれてあります。野性動物の特性や自然界のことなど興味深く読めました。また、このようなかたのお陰で山歩きが出来るのだと、あらためて感謝いたします。2015/01/18
gotomegu
8
おくたま文庫。小さい頃は熊撃ち。その前は魚とり。戦勝に出征の話も壮絶。彼の地でいろんなことがあったから、戦争体験をしたひとは口を閉ざすのかもしれない。魚とりや熊撃ちでならした観察眼がいろんなところで生かされていて、読んでいて痛快。戦後は国立公園の管理者となり環境を守る運動。そのころから林野庁は木を伐りすぎていたのか。その環境破壊ぶりは今も昔も変わらないんだな。山岳救助も山をよく知るからこそ。よく観察して、俯瞰して考えることの大切さを感じる。著者は何をやっても成功したに違いない。2021/09/13
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