内容説明
自他共に認める世間知らずの花穎が烏丸家当主となって、ひと月が過ぎようとしていた。引退生活を満喫している様子の父・真一郎は屋敷を出たまま戻らず、先代執事の鳳に代わり花穎に仕える衣更月は、整った顔で黙々と職務をこなすばかりで取り付く島もない。そんなある日、訪れた紳士服店で他家の子息に関する不穏な噂を耳にした花穎は、真相の究明に乗り出すが…。発展途上の若き主従に新たなる試練が!?上流階級ミステリー!
著者等紹介
高里椎奈[タカサトシイナ]
茨城県出身。芝浦工業大学工学部機械工学科卒業。1999年『銀の檻を溶かして』で第11回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミホ
80
シリーズ2作目。上流階級ミステリーは馴染みがないのでなかなか入り込むのに時間がかかるなぁと。それと想像の斜め上から結末が降ってくる感じです。だんだん人物相関図的なものが欲しくなってくるぐらい賑やかになってきました。相変わらず、相容れない主従関係ですが己の矜持が明かされるので考えていることが少し露呈。当主または主人としての立場、執事としての立場、まだまだ交わるには時間が必要そうですね。最後の終わりが不穏すぎて尾をひいてズーンとしている。2016/09/09
ゆみきーにゃ
65
《図書館》所々に出てくるペロと花穎の戯れに癒される。すっごく気になる終わり方。上流階級の方達の生活が垣間見れるのでそれも面白い。2015/02/03
ひめありす@灯れ松明の火
59
鳳さんの帰郷を含む物語を幾つか。二人ともまだまだ鳳さんの翼の下から出る日は遠いようです。衣更月さんは衣を何枚も重ねて中の人が凍えてしまわないようにする。鳳さんはその鵬翼でもって外から来る敵を払い除ける。同じ家を守るでも二人にはそれ位違いがあるのかなと思いました。衣更月さんがあなた色に染まりますと花穎様に真っ白な薔薇を差し出すのはいつの事になるのかしら。家に仕えるはずの執事鳳さんが家ではなく真一郎様の執事となったように衣更月さんが花穎様の執事になるなはどんなきっかけがあるのか、あるとしたらそれは何だろうか2015/03/07
カロリーナ
59
☆4 シリーズ第2弾。発展途上の主従関係が織り成す上流階級連作ミステリー。前作より遥かに面白くなっていました!こういうこともあるから、シリーズ物は追わずにはいられないんですよね。第1話では使用人たちと花穎の連携が意外にもよく、その上鳳(と真一郎)の登場もあり一気にテンションアップ!第2話の鳳からのメールは短いながらも読者の掴みは最高で、真相が気になってぐいぐい引き込まれました。衣更月視点の第3話後半「口笛吹きと仔犬」は、花穎に合わせて犬小屋を以後"守衛室"と呼ぶことにすると心に留める等、一々律儀で、2014/09/15
ううち
54
花穎と衣更月が鳳さんラブすぎてかわいい。衣更月の素の暴言には萌えました。赤目さん怖いですね…面白くなってきたぞー!はやく続き読みたい!2014/09/14