内容説明
二月の初午になると、毎年決まって縁切りの絵馬を買っていく女。のっぴきならない因縁を抱えているのか、絵馬売りの甚太はどうにも気になって仕方ないのだが…(「初花」)。ほか、魚竹の竹蔵に後添いの見合話が持ち込まれたり、佐吉に新たな恋の予感が訪れたり、鹿一の謎に包まれた過去が明らかになったり…喜びも悲しみも飲み込んで、一筋縄ではいかない人の心の綾を見車事に描き出す、書き下ろし江戸人情小説第三弾!
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業後、画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はにこ
31
竹蔵の亡くなった奥様、きっと自分が死んだ後の竹蔵のことを心配していたんだろうねぇ。手紙にしみじみ。私が書くならもっと早く再婚して欲しいけどね。話をまたがって、おぎん一家のお話。花魁には幸せになって欲しいな。母、祖母、叔母の想いも込めて。。佐吉の恋には動きが。今度は身の丈に合った恋を実らせて欲しいね。菱川さんの恋も気になる。鹿一の過去が明らかに。悲しい過去。これからも目が離せない!2021/10/30
ケイプ
14
髪ゆい猫字屋シリーズの第三弾。このシリーズは話が巻を跨いでいたり前シリーズから繋がっていたりするところもあるので、出来るなら「照降町自身番書役日誌」シリーズから読むことをおすすめします。より深く読めると思います。騒動が解決したからと言ってその人にとっては終わりではないし、それがいろんな場面で影響したりするのは当然ですものね。表題作にもなっている「十六年待って」。魚竹の竹蔵にはそんな過去があったんですね。女房おかねの気持ちを知った竹蔵のこれからが気になります。2014/12/19
まき
8
竹蔵の亡き妻からの十六年後の手紙はある意味怖い。あんな手紙読んだらおいそれとは後添えは貰えないわ。それにおゆきの気の強いこと。佐吉の恋が成就しますように。そして鹿一が心にけりをつけて戻って来てくれますように。2021/10/05
たーくん
5
二月の初午になると、毎年決まって縁切りの絵馬を買っていく女。のっぴきならない因縁を抱えているのか、絵馬売りの甚太はどうにも気になって仕方ないのだが…(「初花」)。ほか、魚竹の竹蔵に後添いの見合話が持ち込まれたり、佐吉に新たな恋の予感が訪れたり、鹿一の謎に包まれた過去が明らかになったり…喜びも悲しみも飲み込んで、一筋縄ではいかない人の心の綾を見車事に描き出す、書き下ろし江戸人情小説第三弾! 2020/06/06
あかんべ
4
おりきや、お葉のシリーズと違う味をだすのに成功しているか?竹蔵は再婚するのか?結論出さずに終わってしまったがこれからの展開が楽しみ。2014/11/11