出版社内容情報
沖縄で何が起ころうとしているのか? SAT、そして米軍が動き出す!内閣情報調査室の磯貝竜一は、米軍基地の全面撤去を前提にした復興計画が進む沖縄を訪れた。だがある日、磯貝は台湾マフィアに拉致されそうになる。政府と米軍をも巻き込む事態の行く末は? 傑作長編小説。
今野 敏[コンノ ビン]
著・文・その他
内容説明
内閣情報調査室の磯貝竜一は、国際都市形成構想の視察で沖縄を訪れた。米軍基地の全面撤去を前提にした都市計画が進む沖縄で、磯貝は沖縄県知事の屋良と補佐官の比嘉に出会う。沖縄独立論者と噂される比嘉の言動が気になり始めた矢先、磯貝は台湾マフィアに拉致されそうになる。磯貝の周囲で一体何が起ころうとしているのか?さらにSATや米軍が出動する驚愕の事態が沖縄と日本に待ち受けていた―。傑作長篇小説。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。78年、上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て執筆活動に専念。2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞、第61回日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
73
20年以上前の今野作品。初期の頃のジャズネタと、隠蔽捜査の竜崎に通じるようなキャリア官僚の主人公。過渡期の作品かも。沖縄の問題をとりあげている。自由貿易とかシステムとかちょっとわかりづらいところはスルーしてしまったけど。最初は女にうつつをぬかしていたキャリア磯貝の『沖縄は誰にも渡さない』彼がそこまで腹をくくるようになる過程というか意識の変化が面白かった。割とあたりでした。2020/10/28
Hitoshi Mita
43
沖縄や北海道はやはり本土の政治に対してどうしようもない温度差があるのだろう。中央からみた地方自治体のあり方。それをコントロールしようという政治家や官僚。どうしても違和感が残らざるを得ない。特に沖縄は米軍の基地問題など一触即発の導火線がくすぶっているようにも思える。本書は中央から出向させられた自治省の官僚が沖縄という土地でその見方を変えていく姿を描いている。中々興味深い本だった。2014/09/16
TATA
40
今野さんは任侠シリーズ以来。これも母親から譲り受けた作品だったけど、うーん、薄いなあ。なんか二時間ドラマを見たって感じ。観光、土地の事情といったものを網羅して、舞台が沖縄だから米軍、台湾マフィア、琉球王国の歴史といったところも盛り込んで。盛りだくさんなんだけど薄いんだよなあ。ごめんなさい、別作品に期待します。今野さんは母親文庫にまだ何冊かあったので。2018/04/10
Ryuko
27
内閣情報調査室の磯貝が沖縄に出向となり、沖縄県庁、台湾マフィア、米軍などの思惑が渦巻く世界に身を投じる社会派小説。小説の中での沖縄県知事は架空の人物だが、過去の沖縄県知事およびその政策は、実在のものが語られている。おもしろい。だけど、磯貝があまりにも中央のお役人然としていて魅力的でない。多分、彼の変化を描くために、前半の彼をいかにもお役人としているのだと思うのだけど、あまり彼には共感が持てなかった。美里、陣内などももう少しうまく使えたのではないかと思う。2018/10/09
Shu
24
一気に読みました。考えさせられるテーマです。2015/02/23